【有料記事2.0】お客様はツレじゃない~内輪の笑いに未来はない~
どうもどうも、センサールマンの山﨑仕事人です。
よろしくお願いします。
あのですね、今回の記事は『有料記事2.0』っていう企画記事です。
過去に有料記事で書いた内容を濃度50%くらいに薄めた上で新しい要素を足しつつ引き延ばして再構築したものとなっております。
※なおこの記事をアップするにあたって元記事の値段を少し上げています。
企画意図としては、
①過去の記事を改めて読んでもらうきっかけになる(読んだ人も読んでない人も!)
②あわよくば元の有料記事が売れるかも(よろしくね!)
③元から有料記事を買ってくれていた方へのちょっとした特典感(?)
あたりを狙っています。
今回は今年8月15日に書いた『お客様はツレじゃない』の有料記事からです。
リンク先記事の無料部分の続きとして書いた内容なので先にそちらを読んでいただいた方が分かりやすいかと思いますが、単体で読んでも楽しめるようには心がけております。
距離が近いとツレになる
規模の小さい事務所やライブはどうしたって芸人とお客様との距離が近くなります。
そうした状況で生まれてしまうのが『なあなあ』な空気感です。
芸人とお客様との壁がなくなり、馴れ合いの空気感が流れてしまうんですね。
もちろん距離が近い状況でも緊張感を保てる人はいますが、芸人側もお客様側も全体の9割以上の人できないと考えていいでしょう。
少なくとも僕はできません(笑)。
ちなみに、この『なあなあ』な空気を作ってしまう原因は10割芸人側にあると僕は思っています。
芸人側がお客様を『ツレ』のように扱えば当然のこととしてお客様側にもそういう空気が移るんです。
芸人が『お客様』を『ツレ』に変えてるんです。
ツレしか笑ってない
『なあなあ』な空気になるとお客さんはとても暖かくなります。
何故なら舞台上にいるのが『演者』ではなく『ツレ』になるからです。
学園祭で『ツレ』が出し物をやってて笑う、そんな感覚に近くなります。
暖かいくらいなら良いのですが、いき過ぎると、ボケでもない部分で笑い、内容がグダグダでも楽しんでくれるようにもなります。
『ツレ』だからです。
ただそれは仕方がないことで、お客様には何の非もありません。
タチが悪いのは芸人側がその空気に慣れてしまうことです。
芸人側が慣れてしまうと「これくらいで笑ってくれるだろう」という勘違いを起こします。
勘違いと言っても現に『ツレ』は笑ってくれるので勘違いになかなか気付けません。
そして身内ノリ・客イジリが増えます。
ウケるからです。
学園祭で先生のモノマネをしたらウケますよね。
学園祭で客席にいる同級生に話しかけたらウケますよね。
それです。
非常に怖いのは、そんなライブにご新規さんが来た時です。
面白くないもので爆笑が起こり、意味の分からないことで自分以外が盛り上がっている。
ご新規さんは冷めてしまい、また来ようという気にはならんでしょう。
いずれツレはいなくなる
更に怖いのは、そんな空気になると今度は『ちゃんとした』ものがウケにくくなるんですね。
きっちりネタをやってるよりも、ネタを脱線して素の喋りが多かったり、なんならネタを飛ばしたりした方が笑いが起きたり満足度が高くなったりします。
『ツレ』だからです。
『ツレ』が『ちゃんとした』ことをしてるとなんだか冷めちゃって、逆に『ちゃんとしてない』ことが面白く感じるんです。
なおこの場合の『ちゃんとした』『ちゃんとしてない』という表現が正しいかどうかは微妙ですが、なんとなく感じ取ってください。
そんなことを繰り返しているうちにそのライブは『ツレ』しか楽しくない場所になっていきます。
しかし残念ながらその『ツレ』はいつまでもいてくれる人達ではありません。
様々な理由によってほとんどの『ツレ』はいずれ離れていきます。
でもご新規さんは増えません。
何故なら『ツレ』しか楽しめないライブをやっているからです。
お客様の分母は減り続けるのです。
繰り返しますがこれはお客様が悪いわけではなく、絶対に芸人が悪いんです。
絶対にです。
ツレにならないために
お客様に壁を作って距離を置かなければ絶対にいけないとまでは思いません。
ただし『壁』を取っ払うならば、せめて『段差』みたいなものは設けた方がいいんじゃないでしょうか。
その芸人のキャラによりますが、例えば「めちゃくちゃ媚びる」とか、逆に「めちゃくちゃ偉そうにする」とか。
とにかく、何かしら「同じ立場ではない」という姿勢を示すのは大事だと思います。
最初にも書いたようにほとんどの芸人は『なあなあ』から逃れるのは難しいでしょう。
でもせめて少しでも頑張って意識していれば多少はマシな空気でいられんじゃないかと。
むやみやたらに『ツレ』にはならずに済むと思うんです。
内輪に向けて“だけ”発信をし出したお笑いに未来はありません。
ツレ以外も笑わす気があるのかどうかを見分けるポイント
ちなみに一見すると内輪ノリみたいだけどちゃんと外に向けて発信できてるものものありますし、その逆もあります。
ポイントは「初見さんが楽しめるかどうか」です。
例えばエピソードトークで僕がナンプラー北川の話をしたとします。
一見すると初見さんが知らない後輩芸人の話をしているので内輪ノリっぽいですが必ずしもそうとは限りません。
ポイントはこの「ナンプラー北川」を「とある後輩」に置き換えても笑える内容になってるかどうかです。
「ナンプラー北川」を知らないと笑えない内容であれば内輪の笑いですが、知らなくても笑えれば外向きのお笑いと言えます。
具体的に言えば、「ナンプラー北川が~」と言ってしまうのか、「ナンプラー北川っていう天然キャラな後輩が~」と言うのか、みたいな。
ここに具体的な天然エピソードをちょっと付け加えられればなお良しです。
是非そのお笑いが外側に向いてるのか内側に向いてるのかをチェックしてみてください(笑)。
あ、念のために言っておきますが『なあなあ』『ツレ』『内輪』を全て全否定するわけではありません。
ケースバイケースで使う分には良いと思います。
問題は“分かって”やってるかどうかでしょう。