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#14 腎臓ケアの皮下点滴。自宅でできれば、犬も飼い主もストレス軽減

前回に続き、高齢犬の腎臓ケアの話です。

我が家の愛犬・山さん。16歳になる少し前から血液検査で腎機能の数値が基準値をはずれるようになり、2021年2月頃から腎臓ケア用の療法食に切り替え。

それでも少しずつ数値は悪くなっていき、2021年9月末から慢性腎臓病による脱水に対処するために皮下点滴を始めることになりました。
16歳3か月の時でした。

犬の点滴方法には、静脈点滴皮下点滴があります。

静脈点滴は、静脈に点滴の針をさして、そこから液を投与する方法
ゆっくり時間をかけて投与するため、入院が必要になることも。
緊急性のある症状や重度の症状の場合は静脈点滴が必要な場合が多いです。

それに対してて、皮下点滴とは、犬の皮膚と筋肉の間にある空間に液を投与する方法です。
短時間で行うことができ、点滴セットを処方してもらって自宅で行うことも可能。
軽度な症状に対して継続的に行う場合が多い処置方法です。

山さんの場合は、数値が悪くなったといっても、まだそれほど重症ではなかったため、皮下点滴で。
最初に皮下点滴を提案をされると同時に「自宅でもできますけど、どうしますか?」と聞かれたので、1回目のみ病院でやってもらい、やり方を見て覚えたら、2回目以降は自宅でやってみるということになりました。

…と偉そうに書いていますが、不器用な私にはできそうにないし、針を刺すのも怖いので、夫に頼むことに。
その当時はコロナの影響で診察室には1人しか入れず、いつも私が行っていましたが、その日だけは特別に夫と2人で診察室に入れてもらって皮下点滴のやり方を教わりました。

手順をまとめたレジュメもくれたのですが、先生が実際にやっているところを私が写真を撮ろうとしたら、「動画撮っていいですよ」と言ってくださったので、動画で保存しました。便利な世の中だ…。

動物病院の診察室にて。使っていたのは、L-乳酸ナトリウムリンゲル液「ラクテック注」。
こちらも診察室にて。高いところに吊り下げ、圧をかけて膨らませます。
自宅では私が洋服用のパイプハンガーにフックをかけて吊るしていました。

帰宅後にYouTubeを見てみたら、獣医さんや飼い主さんが皮下点滴の様子を投稿しているものがいくつかあって、自分で撮った動画よりそっちのほうが参考になったりしました。笑。
一般的には2人で行い、一人がおさえて、一人が針を刺して…という方法を勧められますが、うちの夫は自分でおさえたほうがやりやすいというので、一人での皮下点滴のやり方を投稿している方の動画が参考になりました。
一人暮らしで犬飼っている方だっていっぱいいますものね。ありがたや。
本当に便利な世の中だ…。

自宅でできるメリットは…
・病院に行くことによる犬のストレスがなくせる
・飼い主が動物病院に行く時間を節約できる
・費用が抑えられる

晩ご飯を食べる前などの短い時間で「いま、やっちゃおうか!」という感じでできるのは何より。
動物病院に行く時間を週に何回か捻出するって大変ですものね。
待ち時間もあるし。
犬のストレス軽減はもちろんですが、私たちにとっても有難いことです。

足の間で挟んで動かないように固定して。
針を刺した時はビクッとしますが、あとは落ち着いたものでした。

最初は、針が抜けて液がプシューっと飛び散ったり…ということもあったけれど、何回かやるうちにコツがつかめてスムーズにできるようになり、落ち着いてされるがままになっていました。

無の表情。夫だから安心して委ねていたんだと思います。私がやったら、こうはいかなかったと…。

私はタイマーで時間を測る(2~3分)のと、液を温める係。
液を温めて体温に近づけてあげたほうが、液が身体の入った時に違和感が少なく、嫌がらないので、温めるのがおすすめ。
私はヤカンで沸かした熱湯をボウルに移して、水を足して熱すぎない状態にしてから点滴の袋を浸し、湯煎で温めていました。
急いでいて私の温め方が足りなかった時は「ヒィー」と不満の声を漏らしていました。ごめん…。

点滴後は、背中に液がたまりコブのような膨らみができます。
それが時間がたつにつれて下に落ちてきて、だんだんと吸収されていきます。

前足の間に落ちてきた液の膨らみ。足先に流れて足がぶっとくなることもありました。

点滴の頻度は状態に応じてさまざま。
うちの山さん場合は週2回ペースで始めて、1か月後に血液検査をしたら、腎機能の数値がだいぶ正常値に近づいていました!

なので、そのまま週2回のペースでずっと続けていて、旅立つ2週間前に体調を崩してからは、1日おき、毎日と増やすことになりました。
(その時は腎臓ではなく、肝臓の調子が悪くなっていましたが、そのケアにもいいということで増やしました)

でも、自宅での皮下点滴が習慣となっていたことで、毎日点滴のためだけに病院に行くこともなく、自宅でゆっくり過ごすことができたのは良かったなと思っています。

手帳に記録していたので数えたら、通算で33回ほど皮下点滴やってました。
それは、山さんと夫と私の共同作業。
いまとなっては大切な思い出のひとつです。

犬の慢性腎臓病は初期からうまくつきあっていけば、尿毒症などの症状が出て苦しむこともなく寿命をまっとうできる子もたくさん。
皮下点滴は、そのために有効な手段なのだと思います。

次回は、高齢犬のための手作りご飯について書きたいと思います。


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#13  高齢犬の腎臓ケア。「療法食」が身体に合わないこともある

#14  腎臓ケアの皮下点滴。自宅でできれば犬も飼い主もストレス軽減←いまココ

次回は…「高齢犬のための手作りごはん」のこと


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