相次ぐ撤退と火災 ~第4戦から次を考える~


初めに:来週でSUPERGTも折り返し

皆さんこんにちは。Yamaping RRです。
8月の酷暑の中、いかがお過ごしでしょうか。
私はクーラーのある部屋から出ることが出来ず、絶賛引きこもり中。
大学も夏休みに突入し、自由な時間が増えた。

その中で、SUPERGTも6月7月の夏休みを終え8月初週に第4戦が開幕。
熾烈な戦いが繰り広げられ、GT500は3号車Nittera MOTUL Z、GT300は11号車GAINER GT-Rがそれぞれ優勝。
両クラス共日産勢が優勝という形で幕が下りた。

全8戦の内、4戦が終了し折り返し地点を迎える。
現在のシリーズランキングはGT500が3号車が、GT300は7号車の荒聖治がそれぞれトップに君臨している。
2年連続のZのチャンピオンに向けて2位以下と丁々発止か。
M4の初勝利に向け、「ル・マンマイスター」の異名を持つ荒はSUPERGTをも制すのか。
次週の第5戦鈴鹿ではどのようなドラマを演じるのか。
非常に楽しみである。

今回の題材とは

多くのドラマが演じられた第4戦。
その中でも25号車HOPPY Schatz GR Supraと244号車HACHI-ICHI GR Supraの火災が一番思い出されるだろう。

今回はその火災事故の詳細とそこから考えられる次年度へ向けての参戦がどうなるのかを予想していこうと思う。

火災事故の詳細とその影響

8月6日に行われたSUPERGT第4戦 富士450km Race。
100周という長距離レースの中、35周目に244号車が火災に巻き込まれた。
最終コーナーにてエキゾーストパイプの先端(車外に飛び出している部分)が外れ、コカ・コーラコーナー手前あたりでマシンを脇に止めた瞬間、火の手が上がった。
1コーナー、2コーナー侵入時には白煙を吐いていた244号車はマシンの半分を焼く。

244号車が停止した瞬間

当時ドライブしていた佐藤公哉は、マシン停止後すぐに脱出したため特に外傷などなかったが、マシンは黒い煙を吐き続けた。

消火のため一時セーフティーカーランとなった。
この際、たまたまなのか、244号車が吐き捨てたエキゾーストパイプを36号車au TOM'S GR Supraが縁石よりも遠くに弾き飛ばしている。

その後、66周目に25号車が火災。
13コーナーのランオフエリアでマシンに火の手が上がり、停車。
当時、ドライブしていた野中誠太は脱出し、無傷であった。
マシンと付近のタイヤバリアを焼く大火災となってしまった。
マシンは消火に時間がかかり全焼という最悪の形となってしまう。

この影響により、赤旗中断となった。(後に再開し、100周を完了している)

25号車の火災

原因は「エキゾーストによる発火」とされているが、現在調査中となっており詳細は明かされていない。

25号車、244号車の火災によってマシンを制作・運営するつちやエンジニアリングとMax Racingは共に第5戦以降の2023年度シリーズの参戦を見送る決定を下した。

また、25号車に関しては過去に使用したポルシェやMC86の使用は無いと断言されている。

火災の原因とは?

25号車、244号車共に「エキゾーストによる火災」とされているが、現在調査中とされその詳細は明かされていない。

マシン製作、メンテナンスなどすべてMax Racingとつちやエンジニアリングは異なる形態をしているが、マシンの構造は近い。
そのため、両車をよく知る土屋武士氏は「整備ミスでもなんでもなく、エキゾーストのエンドが外れてしまったかたちです。244号車は間違いなくそれで、25号車もその可能性が高い」「エキゾーストの熱でクルマを燃やしてしまい、たまたまそこに燃料のラインがあった」「作っているところも違うし、本当に偶然」とautosports誌に語っている。

一方のMax Racingは?

25号車と同じような理由とされているが、公式X(Twitter)では監督、選手、レースクイーンがそれぞれ投稿。
来年度以降の参戦計画は白紙と言っても良いだろう。

今年は調子が良かったがために残念である。

つちやエンジニアリングは既にシャシー製作を開始!?

土屋武士氏の公式X(Twitter)では前回大会で焼失した25号車のものとみられるシャシーの写真を掲載した投稿をしている。

写真から推察するに、シャシー自体は焼失を免れこれからシャシーが使えるかどうかの検査を行った上で来年度用のマシンを製作するとみられる。(検査自体は既に終わっている可能性もある)

来年度はGTの規定が大きく変わる年。
それに合わせてのマシン製作となると、半年以上の製作期間があるためより成熟したマシンが見られることになるだろう。

最後に:来年からはニューマシンがみられるかな・・・?

25号車に関してはマシン製作がこれから始まろうとしている中で新たな姿となって帰ってきたホピ子が見られるかもしれない。
町工場の様々な創意工夫によるマシン製作で知られるつちやエンジニアリング。
さらに成熟したマシンに期待したいところである。
ドライバーに関しても、GT500へのステップアップを手助けした実績もあるため、来年度も継続するのではないだろうか。(その間、スーパー耐久などの他カテゴリーや他のGT300チームの第3ドライバー契約を結ぶなど必要であるが)

一方のMax Racingは今年度の参戦を取りやめ、来年度以降は白紙のため予想がしにくい。
昨年にオーナーの大野剛嗣氏が死去し運営元が変更。
スーパー耐久で名を上げ、GTに堂々と参戦した中での訃報であった。
今年も表彰台に上る活躍も見せたが、愛媛の小さなチームとしてどこまであがけるか。
ドライバーも急な契約解除を突き付けられたようなものであるが、どういった行動をとるか次第で今後の進退が決まってくる。

次戦のSUPERGTは参戦台数が2台減少するが、この2チームの今後に注目していきたい。

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