ベランダ喫煙 ┃ 超短編小説
サリーを家によんで寂しさを紛らわしている。
わたしは落ち込んでも、わたしだけは落ち込んでも1人でなんとか凌げる人間だと思っていたのに。どうやら人並みに人に頼る必要があるみたいだ。
穏やかな風が通るベランダでわたしはサリーとたばこを吸う。わたしが最近駅近くの喫煙所で出会った男の人が気になっているという話をした。
「その人のこと、好きなの? 一目惚れみたいなこと?」
サリーはわたしに訊く。汚れていないふりをしてわたしをみるその瞳が年上なんだ、とはっきり感じさせる。
「星と月の間み