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2018年を終えて
たくさんの舞台芸術に携わることができた1年でした。
好きなことをしながら、困窮もせず、雨風をしのげる家があり、楽しいこともたくさんあり、チャレンジできる場も得ながら、生き生きと毎日を過ごせたことに途轍もない幸せを感じています。
なんとも当たり外れの大きい職業ですが、来年こそは、より稼げるようになる下地を作る、そんな一年になればいいなという願いを込めつつ、1年を振り返ってみます!
今年関わった本番はこんな感じ!
1/5〜11 TENTH@シアタークリエ
1/13-14 ミュージカルワークショップ@福島
2/5〜10 ヤマガヒ〜しんしん〜@山梨
2/13〜23 ヤマガヒ〜しんしん〜@東京
3/4 清経@キングスウェルホール
3/5 ソロライブ Vol.8@Tonalite
3/16 デュオライブ@PIANITY
3/17-18 ムジカレッタ@東京
3/29 銀座「蛙たち」出演
4/13 菅谷真理恵バースデーライブ@月見ル君思フ
4/24〜28 音楽劇「美愁」@APOCシアター
5/12-13 ジャージーボーイズインコンサート@シアターオーブ
6/2 佐藤誠門下生発表会@吉祥寺
6/9 銀座「蛙たち」出演
6/16−17 ムジカレッタ@コラニー文化ホール
6/22 デュオライブ@PIANITY
7/7-8 ヤマガヒ〜とうとう〜@コラニー文化ホール
8/9−10 演劇サークル「Life」本公演@コラニー文化ホール
9/7〜10/3 ジャージーボーイズ@シアタークリエ
9/11 ソロライブ Vol.9@Tonalite
9/25 銀座「蛙たち」出演
10/8〜11/11 ジャージーボーイズツアー@全国
10/19 早稲田芸術週間ミュージカルワークショップ
11/16 デュオライブ@PIANITY
11/17 モナムールライブ@府中
12/15 甲府市役所クリスマスコンサート
並べてみると、けっこうやってますね!
これ以外にも、来年群馬県の渋川市で上演するミュージカルの稽古に行ったり、年明けからスタートするグレートコメットの稽古に行ったり、。
ずっと通っている演出家・中原和樹のワークショップにも継続して参加しているし、戯曲研究会も出席率高めだし。
オーディションもいくつも受けました。ダメだったものの方が多いけれど。オーディションに受かるための実力をつけるっていうのも、来年に向けての課題だったりします。
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今年はたくさんの時間を「ジャージーボーイズ」と一緒に過ごしました。
年明けの「TENTH」での特別ステージから始まって、5月シアターオーブでのコンサート版、そして9月のシアタークリエ本公演、さらには10〜11月の全国ツアーでは秋田・岩手・名古屋・大阪・久留米・神奈川と6会場。
つまり、1月から11月半ばまで、断続的に「ジャージー」な世界に足を浸していたことになります。
かなり長いスパンでこの作品に向き合ったことによって、2016年の初演のときには見えてこなかったことに、たくさん気づくことができました。
2016年から2017年にかけての自分の経験・体験があったからこそ、ジャージーフィーバーな2018年の各ステージで、自分なりの新しい挑戦をし続けられたなと思いますが、それと同じくらい
「TENTH」「イン・コンサート」という本編とは違った形で、ジャージーボーイズの、特にコーラスワークについて集中して向き合えたことが、大きな経験となったと思っています。
ジャージーボーイズを通して、本当にたくさんの人に会えました。
出演者、スタッフなどのカンパニー関係者はもちろんのことですが、何よりお客様との出会い。これはまぎれもない宝物です。
初演のあの舞台で僕のことを見つけてくださった人がいまなお応援してくれていたり、初演が終わったあとに僕が書いたブログを読んでそのことを覚えていてくださった方が今回気にかけてくださったり。
そして、もちろん、今回初めて僕のことを見つけてくださった方も。
あるいは、昨年の「ビューティフル」から覚えてくださって、今回「ビューティフルで知りました!」とメッセージやお手紙をくださった方々も。
大きな舞台に出るって、すっげえことなんだなーって、あらためて思いました。大きな舞台に出続けることが、これほど大切なことなんだなーってことも痛感しました。
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とはいえ、大きな舞台ばっかりやっているわけではなく、小さなこともたくさんやりましたー!
今年嬉しかったのは、ワークショップにいくつも携われたこと。
1月は福島で子どもたちと一緒に2日間で「ライオンキング」を作りました。
3月には東京、6月には山梨で「THE WIZ」をこれまた2日間で作るワークショップを開催。参加者は小学生から70代までと幅広かった!
10月には早稲田大学の「芸術週間」という企画でワークショップに読んでもらいました。4時間ぐらいで美女と野獣の「 Bell」を作りました。
そのほかには、新作として作った「ヤマガヒ」という舞台のプレ企画として、2月に山梨と東京で「ヤマガヒ」の台本を使いながらのワークショップ公演もしました。
現在進行している渋川でのプロジェクトの稽古も、はじめはワークショップみたいなスタートの仕方だったし。
ワークショップの好きなところは、多様な人間が集まるという点です。
プロの集まる舞台でも、そりゃ当然多様な人間が集まるんだけれども、それぞれ何かしらの突出した技能を持っているし、その業界を仕事場としている人たちなので、やっぱり系統は似ている。
けれど、市民参加だったりするオープンなワークショップでは、それこそ本当に多様な人たちとの出会いがあります。
年齢ひとつとっても、小学校に上がる前の子どもから、70代まで。
ひとくちに学生といっても、専攻しているものはそれぞれ全然違う。
サラリーマンもいる、主婦もいる。サラリーマンって一言ではまとめられないぐらいに、その業種も多種多様。主婦、っていってもそれだけでは言い表せないような能力を持っていたりするし。
元気な人もいる、外からの刺激に人一倍敏感って人もいる、病気を患っている人もいる、親の介護をしている人もいる、休職している人もいる、仕事をやめようかと迷っている人もいる、ずっと泣くのを我慢してきた人もいる。
普段だったら絶対に重なることのない人生が、演劇を中心にして交わるあの瞬間。
決して、「人と人とが出会う」ことが主眼ではないんだけれど、その瞬間のリアルを芝居や歌の中で追い求めるうちに、自然と「目の前の人と出会う」ということに向き合わざるを得なくなるあの不思議。
それによって怖さを感じたりもするし、救われたりもする、あの空間。
言葉ではうまく説明できないんだけれど、ワークショップの度に、そんなドラマのような瞬間に立ち会うことができる。そんな時間を作り上げることのできる演劇の力に、僕は心の底から魅了されています。
来年はまだ、明確にスケジュールが確定しているワークショップはないのだけれど、それでも計画中のものはいくつかあります。ぜひ、皆さんにも参加していただきたいと思っています。
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ソロライブやデュオライブなど、ライブの企画もやりました。
毎回満席!!!とは、恥ずかしながらならないんだけれども、それでも続けています。僕のライブを心待ちにしてくださって、足を運んでくださる人がいる限り。
でもそろそろ、「毎回満席」が達成されるようなシンガーになっていかなくちゃなあという思いもあります。「歌うだけ」では達成されないこの目標、どうやって近づいていくのかを考えなきゃいけないですね。
そして何より今年は、ライブのキャンセルがありました。
僕の体調管理のミスで、声が全然出なくなっちゃって。お客様にはご心配とご迷惑をおかけしてしまって、本当に申し訳なかったです。
お店のブッキングに穴をあけるわけにはいかないということで、豊岡まりさんに助けていただいて、なんとかライブは開催することができました。僕は歌えないけれど会場にいって、まりさんの応援をしてました。
嬉しかったのは、僕が歌えないというのに、会場に駆けつけてくださったお客様がいたということ。こうやってファンの皆さんに支えていただいてはじめて、僕はパフォーマーでいられるのだなと、あらためて痛感しました。
こんなことはもう二度とないように・・・、はもしかしたら生き物である限り無理かもしれないけれど、それでも、僕の歌や表現を楽しみにしてくださる皆さんががっかりするようなことはないように、体調管理に気をつけて生活をしていこうと思います。
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1年を振り返るっていうのは難しいことだなあと思います。
つまり、振り返った時点で思い出せたことたちが「その1年」を総括してしまうことになるから。
もちろん、思い出せるぐらいに印象的だった出来事(それが楽しいことでも、辛いことでも)こそ、心に残ったことなのだから、人生にとって大事なんだっていう考えは当たり前のことだと思う。
だけど、1日1日生きていた自分は確かに本物だったし、そのとき感じていたことや考えていたことも、まさしく本物だったわけです。
それが積み重なって、今になっている。
たとえ振り返ったときに思い出せなかったことでも(そして圧倒的にそっちのほうが多いわけだけれども)、今の自分を構成している要素のひとつなんだっていうことは、忘れたくないわけです。
つまり、「振り返ってしまう」がゆえに、こぼれ落ちてしまうものもあるわけで。
人との出会いだったり、あるいは人との別れだったり、些細な日常の出来事だったり。
「ドラマ」にはなり得ないような日々の物事が、僕が今日まで生きてきた毎日を構成し、彩ってくれていたという事実。その「ささやかな非ドラマ」の存在をふんわり手のひらに感じながら、次の年を歩きたいような気がしています。
ひとまず、今年も本当にありがとうございました。
幸せがたくさんだった人も、そうでもなかった人も、もしくは、深い絶望の日々を過ごした人も、今日まで共に生き抜けましたね。
こうしていま、僕の書く文章を読んでくださること、本当に嬉しく、ありがたく思います。
願わくば、来年もご縁がありますように。
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