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麺が好き、という話。
こんにちは!山野靖博です!
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人間誰しも得意不得意がある。走るのが苦手、暗算が得意、小説を読むのが苦手、ビリヤードが得意など、人それぞれだ。
僕はといえば、歌うことや文章の読み書きは得意だが、固形物を食べることが苦手だ。
僕の実際の姿をご存知の方ならわかってくれると思うが、僕はかなりの痩せ型である。久々に会う人にはいつも「また痩せた?」と聞かれる。失礼な、少しずつ頑張って増量はしているのだこれでも。
と言いつつ、痩せぎすな見た目のことは自分でも否定できない。そもそも、胃袋におさめられる食糧の絶対量が少ない。大食いなどとは無縁の人生を歩んできた。
好き嫌いはない。強いていうなら牛乳はあまり飲みたくない、ぐらいのものだ。だから大方のものはなんでも美味しく食べる。それに、外食にしろ自炊にしろ、季節の美味しいものを美味しく食べることはとても好きなのである。ついでながらお酒も好きだ。
食べるという行為自体は好きなのだ。けれど、たくさん食べることは得意でない。というかそもそも僕の欲求自体がたくさん食べることを求めない。
また、時間のない時や考え事のある時などは、途端に食べることが億劫になる。僕にとって食べることはエンターテイメントであり、どこか非日常の楽しみを帯びた行為だ。
そうなるとやはり日々の食事にはいささかの面倒くささが伴うことになる。特に苦手なのは米を噛むことだ。お米自体が嫌いなわけではない。炊き立ての白米の美味しさも充分に知っている。
しかしそれが煩雑な日常生活の合間に組み込まれると、途端に億劫となる。もしゃもしゃもしゃもしゃと口を動かすのがとてもつまらない行為のように思えてくる。
かといって何も食べないとなると具合が悪い。歌を歌うにも芝居をするにもものを考えるにも、エネルギーは必要だ。カロリーはきちんと取らねばならない。
そんなときに頼りになるのが麺類だ。日常食でいえば、僕は麺という食べ物が非常に好きだ。
うどん、蕎麦、ラーメン、スパゲッティ、フォー、焼きそば、なんでもござれだ。ただし油そばは除く。
僕の生活の多忙な時期というのは大概、芝居の稽古や本番のある時期だ。自然、そういった時期には朝昼のどこかで麺を食べることが多くなる。
じっさいここ1ヶ月の生活も、乗り換え駅の立ち食いそばか、稽古場近くのエスニック料理屋のフォーを稽古や本番前に食べることが多い。麺は僕の生活の救世主であり、食べることが億劫になりがちな期間の僕の身体を支えてくれる守護神でもある。
麺類の中で特に好きなのは蕎麦で、次点はうどんである。このどちらもスープに油が介在しなくても十分美味しいという利点がある。寝起きすぐのだらけたような胃腸でも、二日酔いの不快極まりない朝でも食べられる爽快さがある。
そんな有様なので、ラーメンは好きだが脂っこいタイプのものはほとんど食べたことがない。いわゆる淡麗とか、昔ながらの中華そばみたいなものが好きだ。
ラーメンの部類でいうと、好きで通っている店が3つある。僕個人の価値観でいえば、この3店舗さえあってくれれば今後のラーメン人生も充実した満足を感じて生きていけるだろう。
ここでその3店舗を高らかに発表したところで、なにか盛り上がるようなことはあるまい。きっと多くの人が知っている店だし、つまりここで発表する新規性のようなものはない。僕は食系のインフルエンサーでもない。ただ単に、僕自身が好きで通っているというだけのことだ。けれど話には流れというものがあるのだし、万人に1人くらいは僕の好きな店に興味がおありの方もいるかもしれないから書いてみることにする。
ひとつは下北沢の一龍。もうひとつは吉祥寺の春木屋。そして最後が上の写真の、神保町にある蘭州拉麺 馬子禄牛肉面だ。
どれも、僕の好きな街にある、というのが大事なところである。下北沢には芝居を観によく行く。吉祥寺には通っている本屋と道具屋と理容室がある。神保町は和菓子を買いにいく。
芝居の行き帰り、美容院の予約の前、和菓子を買うついでに、これらのラーメン屋に足を運ぶのだ。だからして、たとえば春木屋でも荻窪店には行ったことがない。僕は和菓子を第一の目当てに行き先を決めることは多々あるが、ラーメンが最大目的となる外出はしないからだ。
つまり、ほかの用事があるときに、ふらりと寄れるくらいに気心の知れたラーメン屋が上の3つなのである。
特に神保町の馬子禄牛肉面へはかなり頻繁に通っている。なぜなら頻繁に神保町へ和菓子を買いに行くからだ。
ここのラーメンは蘭州拉麺という中国蘭州由来の仕立てで、牛肉や牛骨と薬膳的スパイスを煮込んだスープが美味しい。ハラルでもあるので、さまざまなルーツを持っているであろう客が並んで麺を啜っているのも、日本の外に出たようで楽しい。
芝居の稽古の前、舞台の本番の前に和菓子を買いに神保町に寄り、そのついでに牛肉面を食べる。これはここ最近の、僕の一種のルーティンのようにもなっている。
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