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おさかなとカタツムリ、の話。


こんにちは!山野靖博です!

ペコちゃんの飴。

飲食店を出るときに、飴をもらうことがありますね。焼肉屋のミントガムとか。韓国料理屋のおこげ味の飴とか。

あれって、僕あんまり受け取らないんですけど、このペコちゃんのキャンディは思わずもらってしまいました。というのも、この間まで出てた芝居に、ペコちゃんが出てくる歌詞の歌があったから。

その歌はとても不条理な世界で、大きなカタツムリを背負っているペコちゃんに「背負ってるのはなに?」と聞くとペコちゃんは「ワタシのランドセル!」と答えるんだけど、ペコちゃんがゆっくり歩くからカタツムリがランドセルの中のお弁当を食べちゃって、終いにはペコちゃんもカタツムリに食べられて見えなくなっちゃった、という内容でした。

この歌はとってもいい歌で、歌詞の概要だけ読むと「そんなことあるかい!」というご感想でしょうけど、なんとも質感のある、いまの時代にはなかなかない歌だったのでした。

不条理な歌というと他に思い浮かぶのは、六文銭というフォークグループで小室等さんが歌っていた「雨が空から降れば」という曲。これは僕の大好きな歌であります。

曲は小室等さんが書いてますが、果たして詞はというと、日本の不条理演劇の第一人者であり最大の巨人でもある別役実さんなんですね。

雨が空から降れば オモイデは地面に染み込む

この歌い出しの一行からして良すぎる。

この曲の主人公はその後、雨の中で公園のベンチに座っておさかなを釣るんですが、別役さんの書く文章では他の作品にも多分におさかなが登場するのですね。「淋しいおさかな」という童話集もあるくらい。


冒頭のペコちゃんの歌の詩を書いたのは、俳優であり劇作家であり演出家の串田和美さんですが、串田さんのほか作品にも「カタツムリ」が出てきます。「もっと泣いてよフラッパー」とかね。

作家にとってモチーフというのがあって、たとえば村上春樹なら井戸や猫やパスタとか、幸田文なら着物とか、作家自身の思いがのりやすいモノというのがあるのでしょうね。

僕自身もさいきん書くことの比率を上げているんですが、どこかで自分なりのモチーフが見つかっていくといいなと思っています。書いていく中で自然に見つかっていくのだろうな。


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