【いそがしいとき日記】その17
忙しいというかなんというか。
今週は夜にみっちり稽古があって、それまでは比較的ゆったりしたスケジュールなんだけど、芝居の進度が前にいけばいくほど、あまっている精神的リソースが少なくなって、なかなか物を書いたりする時間が取れなくなります。
健康を維持するためにしっかりとしたご飯を作って食べる、みたいなことにも時間がかかるし、もっと先の目標のためにフィジカルを鍛える時間も確保したりすると、1日はあっという間に終わっちゃうんですね。
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「お月さまへようこそ」の稽古は順調に、試行錯誤を繰り返しながら進んでいます。
なかなかいい強度のところまできてると思います。
ベースになる方向性は見えてきたから、あとはどれだけ精度を高められるかとか、最終的にどんな風に場面を切り取っていくかとか、そういうところとの戦いです。
本番の会場に入ったらまた違ったものがみえてくるはずだし、いちど積み上げたものを一旦壊す、みたいなことにも臆病にならずに、より良い演劇を目指して行きたいと思います。
「一旦壊す」
このプロセスが僕はけっこう好きなんだけど、あんまり受け付けない人も世間にはたくさんいるみたい。僕が生来飽き性だっていうところにも、「壊す」のが好きな原因がありそう。
物事を積み上げていくっていうのはものすごく大切なことで、その価値も充分に理解しているつもり。
でも、演劇なんていうものは所詮、演劇だと思う。
あまり後生大事に、寸分の狂いもないようによしよしと、辿ってきた道をどれだけうまく歩けるかばかりに固執するものでもないと思う。
昨日まで積み上げたものを信じて次の瞬間にまったく別の選択をすることのできる勇気をいつまでも忘れないこと、を僕は大切にしたいなあと思ってます。
もちろん、本番が近づいてきたら、固めるという作業も大切。でも、まだその段階じゃない。稽古日程はまだあるから。
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ところで、このところ「お月さま」以外のこともいろいろ考えています。
なんだかアウトプットの欲求が高まっていて、バースデーコンサートに向けて新しく曲を作ったり、いつかどんなかたちでもいいから完成させたいなと思いつつ劇作品の構想を練ったり。
ひとりで作り上げるのはいろいろと大変そうだから、いっしょに作ってくれるチームが欲しいなあと思いつつ、なんかそのうち見つかるような気もしていて。
なのでいまは、思いついた断片をそのまま書き留めたりしています。
それに伴って考えることなんかにも気持ちが向いていて、Twitterが心なしか、ふわっと社会派な空気をまとっている気がする。
演劇と社会の接点についてとか、「売れる演劇」と「品質の高い演劇」の関係性とか。
最近でいちばんびっくりしたのは、「ドライビング・ミス・デイジー」の宣伝記事におけるブラックフェイスの扱い方について。これについてはちゃんと自分の考えの軌跡を書いてみたいなと思っています。
きっと、そういうことに引っかからずに、楽しくて夢の溢れる演劇を作り続けるような人生も選べるんだろうけれど、僕自身はあんまりそれを求めていないようなので、大いにあちこち引っかかりながら、演劇人生を進んでいこうと思います。
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