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「風とにわか雨と花」 ー 家族のカタチと心の成長 ー
離婚した夫婦とその娘と息子、4人それぞれの視点からその心情と成長を描いた物語。
こんな家族のカタチもあるのか、と思う。
そして、こんなカタチだからこそ、家族ひとりひとりのこれまで意識してこなかった思いと、今現実に考えていることが描けるのだろう。
子どもが生きて大人になるためには、子どもときちんと向き合う大人の存在が必要である。
そして親の心も子どもと一緒に成長する。
心には形がないから直せない。形のないものには誰も責任を取ることはできない、と父は言う。
また、「心はね、楽しかったり嬉しかったりするときじゃなくて、寂しかったり辛かったりしたときに成長するのよ」と言ってくれる人も。
「〈愛している〉という思いは言葉では届かない。溢れ出す思いを言葉になんかできないから、どうしようもないから、〈愛している〉と言い、その言葉と一緒に誰かを抱きしめる。抱きしめることができなくなった人間は、きっと小説を書く」
そんなふうに考えて小説を書いている父。
その思いにはちょっぴり共感できる。