私の詠んだ短歌
このNOTEを初めて一年がたったので、私自身が作った短歌を載せます。10年以上前のものですが、私自身が気に入っているものです。
冬の光
冬の陽の顔に届くをかまはずに臨月の妻午睡してをり
産むために故郷へ発つ君が上に初雪が降る恙なくあれ
陣痛と陣痛の間のひとときを眠りに落つる汝を見守る
我が指を折らむばかりに握りくる汝が長き指汗に湿りて
分娩の激痛過ぎて汝は丸き目をして部屋を見回してをり
子に続き世に抜けいでし胎盤の赤鮮やかに輝くを見き
病室の汝のかたへのみどりごのかたへに白きへその緒はあり
病棟の廊下に射せる冬光の白きを歩む赤子抱きて