うどん屋で働く(2024.12.30)
うどん屋で働いた。
なぜうどん屋で働いたかというと、理由は以下の3点に絞られる。
・色々出費が激しく、お金が必要。
・たまには違う仕事がしたい。
・働けば妻の実家に行かなくて良い。
私は元来アルバイトというものが好きで、かつては実に色々なアルバイトをしていた。派遣会社を通してあえて自分が行かなそうな職種を選んでアルバイトをする事で、世間を拡げようとしていた。お金が欲しいというのもあるけど、また久しぶりに違う世界を覗いてみたいと思った。
そこで先日今流行りのタイミーに登録してみたところ、そう数はないものの、私が住む別府でもいくつか仕事の募集が出ており、その中に私のしょっちゅう行くうどん屋の募集があったので、私は応募してみる事にした。
朝の10時に私は店舗へ行って「タイミーから来ました」というお決まりの言葉を言って、簡単な説明を受けたのち仕事を始めた。すごくあっさりしていた。まるで「タイミーから来ました」は魔法の言葉であるように感じた。この言葉を言う事によって、誰でもあっという間に仕事を始める事が出来るのだ。
私は最初洗い場をやっていたが、11時を過ぎてお客さんが増えてくるとホールに出て「バッシング」という作業を行った。お客さんが席を立ってから食器類を片付けて、掃除を行い、箸や水や天かすなどを補充する作業だ。
11時半を過ぎるとめちゃくちゃ忙しくなった。そりゃ年の瀬だし、観光のターミナル的な場所に立地している店舗だから、お客さんが多い事は想像に難くない。私を含むスタッフさん全員がめまぐるしく動く動く動く。息をつく暇さえない。
しかし、どんなにお客さんが大勢押し寄せようと、よほど店のオペレーションがシステムとしてよく出来ているのだろう、何かが滞ることもトラブルが起こることもなかった。私は本来うどん屋でもなんでもないのに、よく回る歯車みたいに実によく回った。忙しく働く事で、何か全然違う人間になったような気さえした。
15時を過ぎてようやくお客さんの波が落ち着いて、一息つく事ができた。最後は夕方の営業に向けてまた体勢を整えていく作業を行った。何人かのアルバイトのスタッフさんが先に帰っていって、皆が「よいお年をー」と声をかけているのを聞いて時々、「この年の瀬に私はうどん屋で働いている」という事を自覚した。そして不思議な気分になった。
16時に私は仕事を終えた。とても清々しい気分だった。一緒の時間で入ったタイミーから来た方は「いや~6時間は長いね。いつもはだいたい3時間だから」と言っていた。この方もいわゆる「タイミーさん」であるにも関わらずほとんど一人で洗い場を回していた。私は時々それを手伝ったが、横で見ていてめちゃくちゃしんどそうだった。仕事を終えて裏で一服されており、それがすごく美味しそうに見えた。
私は事務所ドアに貼り付けられたQRコードを読み取って退店の処理を行い、「またお願いします」と言って店を後にした。実際また機会があれば働いてみたいと思った。
久しぶりに違う仕事をして、違う人たちに会って、とても刺激になった。またちょいちょい時間を見つけてスキマバイトをしてみたいと思った。