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唐揚げがあるから(2025.02.26)

朝、冷蔵庫にボウルが入ってて、その中に唐揚げが仕込んであるのを見つける。「今夜は唐揚げだ!」と思うが、あえてその事にはふれない。

夕方、仕事から帰ってくると、妻が唐揚げを揚げている。そして「ひとつ味見してみる?」と言う。私が味見しようとすると「今はダメ。子供たちがお風呂に行ってから」と、なんだか後ろめたいことをしているような事を言う。

子供らが風呂に行くのを見送ってから、網の上に一個だけある唐揚げを頬張る。カリッとした衣の中から芳醇な香りとジューシーな肉汁。とても美味しい。妻の唐揚げは店を出して良いレベルに達している。

「味が足りんやろ?」と妻は言う。私は「すごく美味しいです。これで十分」と言う。だがその返事を待たずに妻は唐揚げにドボドボ白だしを足している。味が薄いと確信的に思ったのだろう。

妻とは二日前の深夜にけっこうな喧嘩をした。「てめぇとなんかやってられるか!」と思った。でも今朝、冷蔵庫に唐揚げが仕込んであったことで、なんかもういいやと思った。

鶏モモ4枚分の唐揚げは夕食で半分以上なくなってしまった。長男(9歳)と私がたくさん食べたからだ。

せっかくの唐揚げだが、弁当に入れるわけにはいかない。明日の夕食分がなくなってしまうから。そして残りの個数を数えて明日の唐揚げの割り当てを予想する妻。どうも明日は大人は2~3個程度しか食べる事ができないらしい。

そういうふうに唐揚げのおかげで喧嘩していた事がなかったかのようにふわっと消えてしまった。唐揚げは偉大だ。

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