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生き物に好かれない(2023.06.20)

私たちは生まれながらにして平等であるはず。しかしそこには歴然とした差が存在する。その一つに、生き物に好かれるか好かれないか格差がある。

例えば、そのへんの散歩している犬は妻や子供には喜んでしっぽを振るけど私には怪訝そうな表情をする。また、釣りをしたら私だけ釣れない。周りがじゃんじゃん爆釣でも私の垂らした糸はまるで不穏なオーラでも発しているかのごとく、魚を寄せ付けない。糸がぴくりともしない。

もう6年も一緒にいて、毎日散歩に連れて行っている飼い犬さえ、その共に過ごした時間に比例せず、私に懐いていない。ごはんだって毎食私があげていて、色々と考えているのに、妻や子供の方が好きみたいだ。

私は生き物に好かれない。ナウシカの逆だ。あらゆる生き物は私を避けて通るし、近寄ろうとすると牙を剥く。

だが、この私の特徴が良い方向に働く事がある。蚊に刺されにくいということだ。

今日、私はとても蚊に刺されやすいであろう環境に長く身を置いていたが、まったく蚊に刺されなかった。周りの同僚はバンバン面白いように蚊の餌食になっているのに、私だけ蚊に避けられているようだった。

生き物に好かれがちな同僚たちが蚊に刺されて嘆いているのを見ていると、なんだか愉快な気分になった。「くっくっくっくっ・・見ろ。下民どもが蚊に刺されてかゆがっているぞ。愚かしいものどもめ」

もちろんこのあとには「人がゴミのようだ」だとか「ハッハッハッハッどこへ行こうと言うのかね?」というセリフが続くのだが、考えてみれば私はいつもシータやパズーよりもムスカ、ナウシカよりもクシャナやクロトワに感情移入してきた。好かれないなら好かれないなりの生き方というもんがあるのだ。

焼き払え!


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