祖父とのお別れとメジャーリーグ
祖父の一周忌に出席するために、新幹線にゆられて実家に帰った。通夜と葬式も祖母と娘家族と孫たちだけの本当に身内だけだったので、今回もたった9人での法事だった。
亡くなったときも眠ったままの祖父を囲んでいとこたちとおいしい料理とお酒を飲みながらたくさんの思い出を語り合い、笑い合い、時には涙したものだったから、なんとなく悲しいというよりも穏やかで和やかなお別れになった。祖父は晩年は体が不自由で歩いたりできなくなっていたから、今はもう好きなものを好きなように食べて、好きなように歩いて走ったりしていたらいいなと思う。
一周忌では祖父が生前準備していた新しいお墓に納骨することになっていた。これで本当にお別れ。でも、さみしいとか悲しいとかそういう感情はあまりなかった。多分祖父はもう自由にいろんなところを飛び回っているんじゃないかなと感じることができたり、いとこや叔父叔母と話していると今でもその輪のなかにいるように感じるからかもしれない。
私たち家族はお墓で納骨して、祖父にいったんはさようならをして、自宅に帰って御斎の代わりのお寿司や仕出し弁当を食べお酒を飲みながらたくさん話して笑い合った。さみしさはなかった。BGMの代わりにつけっぱなしになっていたテレビでは、メジャーリーグのワールドシリーズが流れていて大谷翔平の一挙手一投足を実況していた。最後のドジャースのさよならホームランで我が家も沸いた。多分祖父も一緒に見ていたと思う。