私は日本語教師?専門学校職員になって思うこと
自己紹介をするとき、いつも「日本語教師です」と名乗っています。でも厳密には、今の私は日本語教師ではありません。「専門学校の職員です」と言うのが合っています。それでも「私は日本語教師です」と言いたい、そんな心境のお話です。
私は日本語学校の専任/職員になったことがありません。日本語学校では、講師として授業だけを担当していました。
今勤めている専門学校には、日本語コースはありません。「専門士」が取れる専門課程を持った学校で、日本人の学生数の方が留学生より多いです。この学校で、私は留学生対応を担当する職員として働き始めました。
正直、働き始めたときは学校職員としての業務はちんぷんかんぷんで、何をすべきなのか一つ一つ学んでいきました。授業に関することは講師の経験から何となく想像できても、それ以外にどんな業務があるか分かっていなかったのです。
しかも、専門学校は小中高に連なる日本の学校教育のルールで運営されています。語学学校としての日本語学校とは運営上の決まりが違うようです。(日本語学校の職員になったことがないので、あくまで推察です。)
さらに入職当時、留学生担当の職員は私と、同じ時期に入った他の2名だけ。学校が留学生を新たに受け入れるために、学科を新設して増員をかけたのです。私たち3人で、留学生受け入れのためのほとんど全てを準備しました。
専門学校のことも、学校職員としての業務も、留学生の受け入れ体制の構築も、全部一から学んで実行していきました。やっぱり、授業で日本語を教えることと、学校運営をすることは全然違います。(当たり前笑)
職員の仕事は例えば、専門士の資格を出すための単位数の管理、学費の徴収や相談対応、成績と出席の管理、証明書の発行、検定試験の申込み、講師の勤怠管理、留学生のビザ業務、などなど。
以上は私が担当している事務方の仕事です。
他に授業運営をして講師をまとめる教務の仕事、学生募集や広報の仕事、イベント運営、進路指導などの業務があります。
実は職員になった当初は、授業も担当して、クラス担任もしていました。しかし、事務方の業務で新たに形を作らなければいけないものばかりで、あまりにも仕事量が多すぎたため、授業と担任からは外れることになりました。
そうして事務方に専念して丸2年になります。
この間に気付いたのは、授業をするのが好きだということ。仕事量が落ち着くにつれて、日本語を教えたい!という気持ちが湧いてきました。研修を受けたり、本を読んだりすると、これを授業で試したいと思ったり。職員として接している留学生の様子を見て、こういう事を授業でやったらいいんじゃないかなとアイデアが浮かんだり。
なので、私は今も「日本語教師です」と自己紹介をします。
正直に言うと、この2年間全く授業から離れてしまったことで、ちょっと自信がなくなっています。授業をする体力はまだあるのかなと不安になります。
それでも、授業から離れたからこそ、落ち着いて長い目で学生のことを考える時間や、新しい教え方を学ぶ時間も持つことができました。
そして今年は、もう一度本当に日本語教師に戻ろうと思っています。新しい場所で、好きな仕事を始めるのが楽しみです。
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