評価するのはお客様〜「経営品質」その1〜
2005年(平成17年)「ひょうご経営革新賞」の研修会に参加しました。
「日本経営品質賞」という表彰制度の審査基準を用いて、兵庫県内の中小企業を支援しよう、ということで、兵庫県産業労働部経営革新課の主催で実施されたものです。
10数社が参加した研修は、座学と話し合いを繰り返しながら、各自の気づきにつなげるというものです。
第1回の研修会に参加し、会社の目指す方向性「組織プロフィール」について学んだのですが、「これはひとりでは手に負えない」、私ひとりで勝手に作っても、うまくいかない、と感じ、2回目からは会社のメンバーも3名追加で参加することにしました。
経営品質を学ぶ中で、強く印象に残ったのは、
「評価するのはお客様」という言葉です。
座右の銘にもなりました。
自分が良い商品・サービスを作ったと思っても、お客様が価値を感じてお金を出して利用いただかなければ、売上はゼロ。
ドラッカーも「企業は、社会や経済の許しがあって存在しているのであり、社会と経済が、その企業が有用かつ生産的な仕事をしていると見なすかぎりにおいて、その存在を許されているに過ぎない」と言っています(エッセンシャル版「マネジメント基本と原則」)。
お客様がその存在を許してくれるから、伍魚福は存在できるのです。
研修では「そもそもお客様は誰?」という問いかけもありました。
それまでは、お得意先小売業がお客様、と考えていましたが、突き詰めていくと、その小売店でご利用いただく消費者の方が最終のお客様だということに気づきました。
卸売業・小売業の皆さんが「一次顧客」
消費者の皆さんが「二次顧客」
この定義は、この研修の中で決めました。
研修は数回、半年程度続きました。
終盤に「ひょうご経営革新賞」の応募者募集の案内があり、せっかく研修に参加したんだから、やってみようと(今から思うと)無謀にも応募することに。
「ひょうご経営革新賞」には応募用のフォーマットがあり、フォーマット中の質問に答える形で作成します。
「組織プロフィール」には、組織が目指す「理想的な姿」、ターゲットとするお客様、その変化などを記入します。
当時のカテゴリー分けと配点は次の通りです。
1 経営幹部のリーダーシップ
1.1 経営幹部のリーダーシップ
2 経営における社会的責任
2.1 社会要請への対応
2.2 社会への貢献
3 顧客・市場の理解と対応
3.1 顧客・市場の理解
3.2 顧客からの意見や苦情への対応
3.3 顧客満足の明確化
4 戦略の策定と展開
4.1 戦略の策定と形成
4.2 戦略の展開
5 個人と組織の能力向上
5.1 組織的能力
5.2 社員の能力開発
5.3 社員満足と職場環境
6 顧客価値創造のプロセス
6.1 基幹プロセス
6.2 支援プロセス
6.3 ビジネスパートナーとの協力関係
7 情報マネジメント
7.1 経営情報の選択と分析
7.2 情報システムのマネジメント
8 活動結果
8.1 リーダーシップと社会的責任の結果
8.2 個人と組織の能力向上の結果
8.3 プロセスの結果
8.4 総合結果
それぞれの項目を埋めようとしますが、書けないところがとても多くありました。
足りないところに気づき、従業員意識調査を実施したり、新しい社内制度を考えて実施したり、新しい指標を設定して数字をつかむようにしたり・・・。
すべての仕事が、この項目のどこかにつながる。
仕事の意味、目的をよく考えるようにもなりました。
ただ単に、仕組みだけができていれば良い、というわけではなく、1000点満点のうち400点は「活動結果」が出ているかを問われます。
ちゃんと結果が出ているかが問われるという点も私にとって「経営品質」の考え方が、腹にはまっている、気に入っている理由です。
会社が実現を目指す「経営理念」。
それにつながっている「あるべき姿」。
日々の仕事がすべて、それにつながっているはず。
自分の中で、すべてがつながるはずだ、と理解できたのです。
例えば、今書いているnoteも、何のため、と突き詰めると、上記のカテゴリーのどこかにつながっているのです。
初年度は空白が多かった申請書も、2年目、3年目と書き続けているうちに、その都度気づきを社内制度の改善・整備につなげることで、少しずつ充実していきました。
取り組んで3年目、2007年(平成19年)、「ひょうご経営革新賞奨励賞」に選んでいただくことができました。
兵庫県公館で表彰式があり、15分程度会社概要と取り組みを説明する機会をいただきました。
パワーポイントのスライドを映しながら説明をしたのですが、講演後神戸新聞の記者の方から声をかけていただきました。
取扱商品の紹介のところで少し触れた国産の「本ししゃも」について記事にしたいとのことでした。
自分の会社をよくするための取り組みを行い、本来はそれだけでも十分なのですが、たまたま結果として表彰をいただくことで、自社のPRにもつながるということにも気づきました。
伍魚福が積極的に認定制度や表彰制度に取り組んでいるのは、そういう理由もあります。
翌2008年度も申請しましたが同じ「奨励賞」。
奨励とは、奨め励ます、という、いわば「もっとがんばりま賞」(笑)。
そこから長きに亘る、経営品質の取り組みが続いています。
続きはまた明日のnoteで。
最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan