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豊かな海・瀬戸内海がどうやってできたか(神戸大学・巽好幸研究アライアンス長)

イカナゴについて調べていて、以下のツイートを見つけました。
イカナゴの産卵、夏眠場所として知られる「鹿の瀬」についてのものです。
このツイートを書かれているのは、日本の地球科学者である神戸大学高等研究院海共生(うみともいき)研究アライアンス長の巽好幸(たつみよしゆき)さんです。

水深2mしかない場所があるので、日光が海底まで届き、海藻や海草の茂る藻場を形成し、イカナゴやエビ・カニなどが育つそうです。

巽さんの過去ツイートを辿ったり、連載されていたYahoo!ニュースを読ませていただきましたが、「美食地質学」というタイトルで、美味しいものと地質の関係を解説されていてとてもおもしろいです。

瀬戸内海がどうやってできたかの説明もありました。
「灘」と呼ばれる沈み込んだ地形と、陸が隆起した地形が交互に現れ、西は伊予灘から、東は上野盆地まで交互に続きます。
フグの産卵地もプレート運動の恩恵だそうです。

以下、Yahoo!ニュースのページから引用します。

この文中の「図」は上のツイートの「図」とフグの産卵地の表記以外同じものですので、これを見ながら読んでください。
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フィリピン海プレートの斜め沈み込みと中央構造線横ずれ運動
前回述べたように、南海トラフから西日本に沈み込むフィリピン海プレートは、300万年前に太平洋プレートにぶつかったために大方向転換をした。それまではほぼ真北に運動していたのだが、300万年前以降は北西方向、つまり西日本に対して斜めに沈み込むようになったのだ。つまり、このプレートは西日本を北向きに圧縮するだけでなく、運動の西向き成分(図)が西日本を西へ引きずり始めたのだ。その結果、この西向きの引きずり力を受けた西日本では、領家帯と三波川帯と呼ばれる地質境界が弱線となって「横ずれ断層」として動き始めたのである(図)。「外帯」と呼ばれるこの構造線より南の岩盤は、1つの塊(マイクロプレート)として西向きに移動することになった(図)。

中央構造線での地盤の変異は、当然その北側にも影響を与える。中央構造線に近い場所では断層運動に引きずられて西向きに移動しようとする。一方で巨大なユーラシアプレート内部には、全くこの影響は及ばない(図)。いわば瀬戸内海沿岸は変形ゾーンと化したのである。

 このような横ずれに伴う変形ゾーンでは、いわばシワが寄るように隆起域と沈降域が交互に形成されることが知られている(図)。つまり、現在瀬戸内海に見られる特徴的な地形は、300万年前以降の中央構造線の活動によって形成されたものなのだ。
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300万年前にフィリピン海プレートの動き方が変わったことで、瀬戸内海が形成された。
地球の長い歴史の中では、人類が繁栄しだしたのはごく最近だ、という説明を見聞きしたことがありますが、すごいです。

そもそも日本列島も昔は大陸の一部だったものが、プレートの動きにより大陸から切り離されてできたものだそうです。

日本の岩石の中のSNの方向を調べるとこんなこともわかるんですね。

上記のような地形ができたことで、ズワイガニやベニズワイガニが楽しめるそうです。

巽教授の著書に「和食はなぜ美味しいー日本列島の贈り物」(岩波書店)がありますが、現在品切れ中(残念)。
最近のツイートが「美食地質学」シリーズということですので、その著書の記事とも共通するのではないかと思います。

伍魚福の地元、神戸大学の先生ですので、いつか機会を作ってお話を伺ってみたいです。

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山中勧/伍魚福社長
最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan