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kotoba club通信 202405

少し遅くなってしまいましたが、「kotoba club」について、振り返りを記録として残しておきたいと思い、「kotoba club通信」を毎回の開催終了後、記していこうと思います。

と言っても、先日開催したのは「第0回」のkotoba club。本格始動をする前に、まずはお試しをしてみようということで、5月10日(金)の夕刻、初めて開催しました。
*開催に至った経緯などは、下記からお読みください。

2024.4.22 更新✏︎「kotoba club はじめます」


「1人でも、やってみよう」と思い募った初めてのkotoba club。インスタグラムのみでの募集でしたが、7名の方が申し込んでくださり、その他にも、「遠方で行けないけれど、いいなと思っています」と連絡をくださった方も数名いらっしゃいました。

最近、「読書会」というものはよく耳にしますし、黒潮町でも開催している方がいらっしゃいますが、「文字を書く」ということに対しては、果たして需要があるのだろうかと思っていました。けれど、普段私のように書くことを仕事にしている方以外でも、「書いてみたい」という気持ちを抱いている人が意外と周りにいるということ、高知県の端っこでも需要が少なからずあること、これがまず最初の気づきでした。

kotoba club会場からは海が見えます

「どんな形で開催するのが良いか」
そんなことを考えながら準備をし、自分なりにたどり着いた第0回の開催方法が以下のものでした。

①kotoba clubについての紹介
②参加者それぞれが簡単に自己紹介
 ・お名前や居住地
 ・kotoba clubに参加したきっかけ
 ・普段どのくらい文字や文章を書いているか
③テーマを2つ設け、参加者各自が書きたい方のテーマを選び文章を書く
 今回のテーマは「家族」or「ふるさと」
④書き終わった後、隣の人に自分の書いた文章を読んでもらう
⑤隣の人は読んだ文章の感想を簡単に書き、お返しする
⑥文章を提出して(任意)終了


当日参加してくれた方々は、黒潮町在住の方はもちろん、お隣の四万十市、そしてさらに遠く宿毛市や須崎市、高知市などからもご参加いただきました。平日のお仕事が終わった後で、18時開始という時間設定にも関わらず、お仕事を早めに切り上げて来てくださったり、遅れてでも来てくださった皆さんにまず、感謝です。

小学生の頃、きっとほとんどの方が机に向き合い、原稿用紙と睨めっこした記憶が頭の片隅にあると思います。私はあの頃、「読書感想文」などといった作文があまり好きではありませんでした。文章を書くことは好きでしたが、学校の課題として出される作文は、どこか「正解」を求められているような気がして、その「正解」ってなんだろうと考えながら書いてしまい、楽しんで書くことができませんでした。

その点、大人になった今は、作文や文章を書くことがとても好きです。誰から決められたものでもない、自分が好きなことを書いているからかもしれませんし、「正解」を追わなくても良いということに気づいたかもしれませんが、文章を書くことって良いなと、純粋に楽しむことができています。

今回の「kotoba club」も、そんなふうに参加者の皆さんと「書く時間」を共にし楽しみたいという気持ちから開催したところがあります。小学生のあの頃と違って、自分の気持ちに正直でいいし(小さい頃から正直に書いていた方もいると思いますが)、先生や授業のためにではなく、自分のために書くことで自分や他者、それらを取り巻く環境と向き合え、また日々を大切にできること、そんな気持ちを共有したいなという思いがありました。

ただ、ブランク何十年・・・原稿用紙に文字を敷き詰めるという作業は、大人になってほとんどの方がしていない作業だと思います。最初は「30分、40分という時間は書き始めたらあっという間だけど、果たして参加者の皆さんは重荷に感じてしまうのではないだろうか」と少し不安でした。

でも、そんな不安もいつしかどこかへ消え、「それでは書いてみましょう」と言ってから皆さんすぐに鉛筆を動かし、結局時間が足りず計45分間の執筆活動となりました。

30分、40分の区切りで「どうですか」と声をかけましたが、
皆さんまだまだ鉛筆を走らせたかったようで。
結果45分間の執筆となりました。

「家族」、「ふるさと」というテーマを選んだのには、少し理由があります。割と個人的なことが絡んでくるテーマではないかということ。それは、初めて開催するkotoba clubにどんな方が参加してくれたのかを知りたいという気持ち、そして、個人的なことの方がきっと誰しもが書きやすいのではないかということ、さらには、個人的なことの方が書いていても、読んでみても面白いと思ったからです。何より、もしかしたら最近の私の中のテーマとして、ずっと家族のことやふるさとのことを考えている、本当はそれが理由なのかもしれませんが・・・。


皆さんがそれぞれこのテーマで書かれていた内容は、例えば、「雨が降ると母を思う」といったこと、「宝物は家族」ということ、「みんながいつでも帰って来られるふるさとになりたい」といったことなどでしたが、どれも皆さんが自身や自分の感情と素直に向き合い、45分という時間の中で一生懸命書いてくださったことが伝わってくる文章でした。自宅に戻り、改めて皆さんの文章を読んで、感動して、ちょっと涙が出てしまいそうになるくらい。大袈裟ではなく、私が想像していた以上に真剣に「言葉」と向き合った時間が伝わってくる、そんな原稿用紙の数々でした。

kotoba club で大切にしたいことは、「うまい文章を書きましょう」なんてことではなく、「愛を持って生きていきたい」という、一見文章とはなんの関係もないことです。そんな思いから、最後には、たまたまkotoba clubで一緒になった、言えば「他人」の文章を読み、感想を書いてあげるという作業も入れ込みました。これは、「他者の人生や他者の感情、心情に寄り添い、それもいいよね」と思えるように、そういうことを大切にしていくことでkotoba club自体が優しい存在になれたらと思ったからです。

この作業に対しても、やっぱり皆さんが想像以上に真剣に取り組んでくださいました。「手紙」のようで、とてもあたたかなメッセージを書いてくださり、ありがとうございました。

誰かの文章を「読む」時間、
そして、「書いてあげる」時間

第0回、開催してみて、まずは「やってみて良かった」、これが素直な私の感想です。「自分に素直になりたくて」と参加された方がいたり、「どんな内容かよくわからないけれど、Yamamoto Marketが開催するのならきっと良いものだろう」と参加してくださったり、「妻が欠席することになり代わりに」と、わざわざご参加いただいた旦那さまがいたり。急な仕事でようやく到着した頃には終了30分前、それでも一生懸命書いてくださった方も。いろんな理由を持ってkotoba clubに集まってくださった皆さん、帰る頃には参加者同士も楽しそうにお喋りしている光景を見て、開催して良かったし、参加していただいた皆さんに本当に恵まれたなと、安堵の気持ちと喜びでいっぱいでした。

ただ、やはり金曜日の18時開始というのは、お仕事終わりの皆さんにちょっと「優しくないな」と、kotoba clubのモットーから外れているような気がしたので、少しだけですが、次回は開始を遅らせて18時30分からという設定にさせていただきました。


次回「第1回kotoba club」の開催は6月28日(金)です。すでに参加者の募集は締め切っていますが、1名空きが出ましたので、もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、Yamamoto Market のInstagramアカウントまでDMでご連絡ください(タイミングによってはお受けできない可能性がありますが、ご了承ください)。

Yamamoto Market Instagram @yamamoto_market


最後になりましたが、写真に映っているkotoba clubの素敵な雰囲気を醸し出してくれているのは、ATOM HANDSさんが小さなログハウスを会場として提供くださったおかげです。海を目の前にした気持ちの良いログハウスからは、穏やかな波と空が一体となった青々とした景色を見ることができました。暗くなってきた頃には、ログハウスの木の温もりと柔らかな照明で、また最高の時間が流れていました。ATOM HANDSさん、ありがとうございます。

屋根裏部屋の小窓から見る海の風景も最高です

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