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精進料理に目覚める3歩前 #63 スイタイ

少しばかりカンポウの理論に触れた
ワタクシの脳が
記憶の定着にノーを言い出す前に復習を兼ねて
ここに記す

先ずは
前回のキノセイの変身とキキョさんを
もう一度そのままぺったり貼り付けて

そこから仲間なのか子分なのか
とにかく繋がりのあるであろう存在を紹介しよう


前話のおさらい


ワタクシの“キノセイ”なる精霊として
共に歩んで来た原因不明の不調さんたちは

カンポウ理論によってその存在を認識されて
名前を獲得して行った

氣虚さん
血虚さん
氣滞さん
瘀血さん
水滞さん

"キノセイ"なんてふわふわした精霊的存在が
漢字が並んで随分と手強そうな奴らに変身したものである


とはいえ


個性の違いがグンと現れてくれたのは漢字ネームならではで何ともありがたい


氣(エネルギー)
血(赤い液体)
水(カラダの正常な水分)



虚(きょ)不足しているか
滞って(とどこおる)うまく流れていないか

なので
つまり奴らの特徴はこんな感じである

氣虚さん→エネルギー不足
血虚さん→血不足・栄養不足
氣滞さん→ストレス
瘀血さん→ドロドロ血
水滞さん→むくみ

ふむ

単純明快で個性が掴みやすいではないか

因みに
それぞれ14のチェック項目があったので
ワタクシのキノセイなる精霊さん達の
強さレベルとして炙り出してみる

氣虚さん 7
血虚さん 7
氣滞さん 7
瘀血さん 4
水滞さん 8

感覚の鈍いワタクシの自覚でこんな感じなので
どうやら思いのほか影響力強めである


キキョさん

前回の主役 キキョさんは
ワタクシから根本的な生命エネルギーを
奪うべく活動しているヤツである

活動内容
1、動きを奪う
2、体温を奪う
3、カゼを引くよう仕向ける
4、季節や温度の変化をスルーさせる
5、重力に服従させる

つまり


朝が苦手で寒がりで
夏を除けば
いつも寒さに覆われて

油断の隙にハラが冷え
いつもハラハラ カゼ予備軍

やる氣なんぞ
これっぽっちも持ち併せておらず
動きが鈍いどころか
布団の中から動けない

四六時中 時間構わず疲れていて
地球の大いなる重力に抗うコトなく
その欲に従って

とにかくワタシは
横になりたい

このような状態のワタクシを
せっせと作り上げてキープし続けている
驚くべき働きものである




スイタイ

今回の主役は
働きもののキキョさんの陰に隠れつつ
ワタクシのカラダをブクブクそしてブヨブヨと
カタチ作っているウォーターアート造形作家
スイタイさんである


スイタイさん

上に記録してある
ワタクシのフチョーチェック数
No.1を獲得している
スイタイさんの活動内容は

キキョさんの活躍に乗じて
水分代謝をとことん妨げる

この1点に尽きる


ひとつの分野をとことん極める
職人氣質な存在であるらしい

そして
キキョさんの陰で暗躍するスイタイさんに
支配されているワタクシは

雨には負ケテ
梅雨にも負ケテ
カラダはいつもダル重い

むくみは常に下半身にアリ
胃腸はいつもフチョーを起こし
吐き氣と下痢はお祭り騒ぎ


車に乗ればメロメロと酔い
眩暈は世界を捉えられぬ程ぐらぐら旋す
ぼわんと世界を映し出す頭は
重厚な霧の幕を被ったようにズッポリ重い


とにかくワタシは
カラダがオモイ

こんな調子である


これらの状況をあっさり作り出せるのは
氣虚さんがせっせと作り上げて来た
努力があってこそなのである


スイタイさんが水代謝を妨げる工事をする前提で
もう一度キキョさんの活動を思い出してほしい

活動内容(キキョ)→(スイタイ)
1、動きを奪う → 巡らない
2、体温を奪う →冷えて滞る
3、カゼを引くよう仕向ける 
4、季節や温度の変化をスルーさせる →汗出ない
5、重力に服従させる → 足浮腫む

スイタイさんの活躍は
キキョさんの日々積み重ねた活動に
スムーズに連携されている



スイタイさんの職人技はこれだけではない


空氣中の湿氣とワタクシのカラダの水分との
縁結び活動も担っている


ここで
ひとつ思い出話をしてみよう

養生暮らし開始直前に遡る

ワタクシのカラダが
まだすっかり冬の寒さをずいずい引きずって
キンキンに冷えに支配されていた頃

基本的に頭上に青空を被っているワタクシは
油断して

うっかり
重厚な灰色の雨雲と接近していたようである

驚くべき事に
この頃のワタクシのカラダで
雨雲接近にいち早く氣付くのは眼ではない

ハラである

胃がグルグル踊りだし
腸はどんよりしたどず黒い上空に
轟いてもいない雷鳴を
突如としてハラの中から響かせる

大氣中にもったり漂う湿氣の水分を
ワタクシの消化器内でもたもたと待機している
生ぬるい水分と結びつけて

この瞬間だけ勢いよく動きたがる
キマグレな腸へ
あっという間にピーピーと送り出していた

華麗なる職人ワザにひたすら感服するしかない



胃袋にカメラまで押し込んで

人生かけてキノセイなる精霊的存在に
その不明とされた原因を
ぎゅいぎゅい押し付けて来た
ワタクシのゲロリンチョ体質は

あっさり
スイタイさんの仕業である事が判明した


ああ

引きずり出せばボロボロ出て来そうな
スイタイさんのさりげない職人ワザ

今は
想い出の扉に鍵をかけて
とりあえず前に進んでみる




日本に住むかぎり
心に留めておきたいウタがある

その歌詞の全部を知っている訳でも無いし
いつ頃流行していたかも あやふや である

しかしながら
スイタイさんの事を
忘れず頭の片隅に置いて生活する上で
これ以上のウタをワタクシは知らない



日本人は〜胃腸が弱い〜♪

ネプチューン





天から降り注いだ恵の雨が
ぽこぽこ湧き出で
さらさらと小川に流れ出し
幾つもの合流を経て
がぼがぼ河川を形成し
やがて海へと流れ着く

ぐるりと海に抱かれた
この水の豊かな島国

潤い溢れる美しい


日本


その恵を受けて
しっとり輝く豊かな緑が
その国土の大部分を覆う



麗しき日本の水分表現を
スイタイさんを語る仕様に変換する




じめじめ湿氣大国JAPAN




徹底的に空調管理されたコンクリートの中で
ひんやりしていたら
うっかりそのベタつきを忘れてしまいそうな程
快適な現代である

じめじめした湿氣は消化器系の活動を妨げて
胃腸の弱いニッポンジンを量産する

スイタイさんの職人ワザに捕らえられた
殆どのニンゲンが
消化器系(カンポウにおける脾)が湿氣を溜めて
ヒヨワ(脾弱)に変身していく

卓越した職人ワザを持つスイタイさんは
キキョさんとガッチリ手を取りあって

ゲンキが無くてムクんでいる

そんなワタクシを完成させるのだ

キキョさんによって
とことん冷え冷えとなった腹に

スイタイさんが

その冷えのお陰で流れのニブくなったスイブンを
たぽたぽと湛えるよう仕向けて
でっぷりとカタチ造る


要らぬ水を抱え込んだカラダは
ちゃぽちゃぽしながら
ゲロリンチョそしてお腹ピーピーの準備を整える

そこへ
ここぞとばかりに
梅雨や乗り物が追い打ちをかける

敵ながらあっぱれである





対スイタイ生活


スイタイさんと闘う為に
ワタクシがすべきは

1、円滑な水巡りの為カラダの灌漑を見直す
2、ニブい流れを作り出している冷えを追い出す
3、じめじめ湿を溜め込む万年床に陽を当てる

この内内外アプローチである



ウゴキタクナイ

を発動させている最強の敵キキョさんが居る事を
決して忘れてはならない

慎重に

冷静に

そして

穏やかに

ワタクシのカラダが使えるエネルギーは
キキョさんの支配によって
微々たるものに制限されている


時短時短と騒ぎ立てる
慌ただしい世の中の空氣に焦ってはならない

ほそぼそと長期戦を続けていくのだ


サウナで汗だくを3セットなんぞ
キキョさんの支配下に居るワタクシには
まだまだ夢の世界の物語である


枯渇寸前のワタクシのエネルギーで
要らぬスイブンをカラダから
少しずつ追い出していく


丁寧に流れを妨げている冷えの存在を見極めて
じんわり汗をかいて滞った水を排し
きのこの生えそうな寝室そして寝具が
カラカラするよう工夫する

ハラ、コシ、アシを冷えから遠ざけるべく
しっかり布に包み
大好きな銭湯で じんわり汗をかくよう
芯までぬくぬく温まり(2)


湿氣を存分に吸い込んでいる万年床へ
陽光を載せた新しい風を迎え入れ

床を占拠している重い湿を押し除けて

そんな床と距離を確保するべく
陽の光を浴びてカラッと身軽になった寝台の上へと這い上がる(3)


内側の灌漑アプローチにて
要らないスイブンを外に出す為に
活躍してくれる食材を味方につける(1)


ようやく
タイトルにある内容へと辿り着けそうである


ここからが永い

スイタイさんへの
語り尽くせていない想い出と
食材バトル編は
またいつか

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