見出し画像

猫の健康管理において、下痢や便秘の際に食物繊維を適切に活用することは重要です。猫の消化器の健康に対する食物繊維の役割について、ご説明します。

食物繊維の役割

食物繊維は、消化器の健康をサポートするために不可欠な成分です。

猫の消化管における食物繊維の主な役割には次ようなものがあります

便のかさ増し:食物繊維は便の体積を増やし、腸内を通過する速度を適切に保つのに役立ちます。

水分保持:食物繊維は水分を吸収し、便の水分含有量を調整することで、便秘や下痢の予防に貢献します。

腸内環境の改善:腸内細菌に作用し、健康的な善玉菌、悪玉菌のバランスを整えます。

下痢時の食物繊維の活用法


下痢は、腸の運動が活発になりすぎて便の水分が十分に吸収されないために起こります。このような場合、次のような可溶性食物繊維を活用することが有効です。

可溶性食物繊維:可溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になるため、便の形を整え、水分吸収を促進します。

便秘時の食物繊維の活用法


便秘は、腸の運動が鈍くなり、便が硬くなることで起こります。この場合、不溶性食物繊維が腸の動きを刺激する役割を果たします

不溶性食物繊維:不溶性食物繊維は便のかさを増し、腸を刺激して排便を促進します。猫用フードに含まれるセルロースやビートパルプなどが不溶性食物繊維の例です。

水分摂取の増加:食物繊維の摂取とともに、十分な水分摂取を確保することが重要です。水分が不足すると便秘が悪化する可能性があります。高齢猫では、脱水を改善させるために、皮下点滴を行う場合もあります。


食物繊維は、猫の消化器の健康を維持するために不可欠な要素です。下痢や便秘の症状に応じて、バランスよく食物繊維を食事に取り入れることで、これらの症状を緩和し、猫の健康をサポートすることができます。

消化器系の療法食の影響だと思いますが、
便秘の時には「可溶性繊維」
下痢の時は「不溶性繊維」ですか?と聞かれることがあります。

答えとしては、『どちらもバランスよく』です。
人為的に何かを加えたり、制限すると、"裏目に出る"場合が多々あります。

(サプリメントなど)栄養素の追加については、獣医師と相談して、猫さんの状態に合ったアプローチをとることが必要です。

【参考資料】
犬と猫の栄養成分辞典 ロイヤルカナン
食物繊維(https://www.royalcanin.co.jp/dictionary/nutrients/%E9%A3%9F%E7%89%A9%E7%B9%8A%E7%B6%AD


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?