強い力と弱い力 はじめに 5
幻冬舎新書の「強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く
」を読みながらノートをとったり、まとめたり感想を書き留めたりしています。
「弱い力」が影響を及ぼしている現象の最期の例は、太陽が燃える仕組みです。
太陽が誕生してから50億年、そしてあと50億年燃え続けると言われているそうです。振り返っても、行く末をみても気の遠くなるような年月です。私たちの太陽の寿命は100億年くらいあるということですね。
太陽の燃焼には「弱い力」が大きく関わっていて、もし弱い力が今より強かったら、太陽の寿命はもっと短くなって、人類の誕生前に燃え尽きてしまっていたかもしれないんです。
他の銀河系には、そんなふうに生命が誕生したけれど知的生命体になる前に太陽が燃え尽きてしまったものもあるのかもしれないんでしょうか。
さて、以下は太陽が燃える仕組みです。
太陽は73%が自由に動き回る陽子でできていて、その陽子がヘリウム原子になるときの核融合エネルギーを利用して燃えています。
ちなみに、原子力発電はウランなどの原子核が核分裂するときのエネルギーを利用しています。
核融合と核分裂、融合するときにも分裂するときにもエネルギーが放出されるんですね。
太陽の陽子はふたつの段階を経てヘリウム原子になります。
まず、ふたつの陽子が近づいたとき、そのうちのひとつに弱い力が働くと中性子に変身します。でも「弱い力」はその名の通り弱いので、たまにしか働きません。太陽のなかのひとつの陽子が中性子になって、重水素の原子核ができるのは、なんと10億年に1回くらいしかないそうです。
もともとあった陽子と弱い力の働きで変身した中性子は結合して、重水素の原子核を作ります(重水素とは原子核に陽子と中性子が両方ともある水素です。普通の水素の原子核は陽子だけでできています)。
2段階目では、この重水素の原子核からヘリウム原子核になります。
ここでは、どんなふうに重水素ができるのか、具体的にはまだ触れられていません。この時、陽電子とニュートリノが同時にできるそうですが、それについては後の章で詳しく述べられるようです。
陽電子とニュートリノという言葉自体が、何となく聞いたことあるなあーという程度なのですが。。。