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2025年、ウェビナーはどうなるの?

どうも!エキサイトでFanGrowthのCS責任者をしている山縣です。

FanGrowthでは、ウェビナー に特化したプロダクトの提供とコンサルティングサービスを行っており、企画〜配信ができるプラットフォームや様々なカンファレンスやウェビナーを実施しています。

簡単な自己紹介とマーケターとしての施策経験みたいな話はこちらにまとめてますので、ぜひぜひ!

さて、今回はFanGrowthのアドベントカレンダーです!
経緯についてはこちらに記載の通りです!

はじめに_テーマについて

私のテーマは「2025年、ウェビナーはどうなる?」です!
私自身、年間で500件以上のウェビナーを企画しており、カンファレンスも 2024年だけで27件企画しました。(今年日本で一番カンファレンスを企画しているのではないかと思います)

オンライン・オフラインどちらも含めて登壇側としても数えられないくらい登壇させていただきましたが、モデレーターとしての登壇を含めると多い時は月に20件くらい出ていることも。2024年は今まで以上に多くのイベントに関わってきました。

また、視聴者という目線でもビジネスマン人生で密接に関わってきました。「動画コンテンツからのインプット」に関しては、10年以上ずっと続けています。

だからこそ、この1年でいろんな変化があったなと感じます。
イベントマーケティングの中でも大きく変わったのはカンファレンスとウェビナーですよね。マーケティング施策の一つとして、ウェビナー施策に注力する会社が一気に増えてBtoBマーケティングのスタンダードな施策として確立した1年だったと考えます。

一方で、昨今様々なところで目にするようになった「ウェビナーの乱立」という言葉。同じようなウェビナーがたくさん出てきて、同時期に全く同じテーマのウェビナーが実施されている、という状態も珍しくなくなってきました。そんなウェビナー戦国時代に今、何を考えているのかを改めて考えてみようと思います。

ということで、ウェビナーやカンファレンスの企画側、登壇側視点で2025年のウェビナーを考察していきます!

ウェビナーの変遷

大きく分けると、①コロナ前、②コロナ以降、③直近1年間でこのウェビナー施策は激しく変わってきています。コロナ前に関しては、今回のテーマとは少し離れますので、割愛して昔話程度にさせていただき、コロナ後と直近1年間のウェビナーについて整理します。

コロナ後のウェビナー施策

まず、言うまでもないですが、コロナ禍で営業機能が停止した時期があり、展示会やオフラインイベントの代替手段として急速にウェビナーが増加しました。もちろん、コロナ前からウェビナーやカンファレンスを実施している会社もありましたが、今みたいに多くはありませんでした。

コロナ直後は自社の製品説明を目的としたウェビナーをする会社が多く、マーケティング施策の一つとして徐々に取り組む会社が増えてきました。マーケティングオートメーションツールの普及もあり、これまで接点を持ってきた会社に対するご案内が増えたのがこの時期だと思います。IT、製造業、人材、コンサルなど業界関係なく、実施されていました。

その後、IT・SaaS系の企業を中心に一気に広がったのが、共催ウェビナーです。ご存知の方も多いと思いますが、申込者情報の相互共有をする方法で、コロナ後のリード獲得施策として欠かせない施策になっています。

弊社が運営するFanGrowthという無料マッチングコミュニティ内だけでもこれまで3,000回以上のマッチングがされており、すでに繋がっている会社同士の企画も合わせるとかなりの数の共催ウェビナーが実施されていることがわかります。

FanGrowth内での初回マッチング数(マッチング後に複数回実施している会社が多数存在)

弊事業部(FanGrowth)としても例に漏れず多くのウェビナーを実施してきました。
FanGrowthはエキサイト内の新規事業なのですが、サービスをリリースしたのが2022年7月で、その後、ウェビナー施策から多くのリードを獲得しています。(2年ちょっとでウェビナー経由で3万件以上のリード獲得に繋がっています)
私自身、大学もマーケティング専攻で、新卒から考えても12年「マーケティング」に関わってきていますが、圧倒的なスピードで顧客接点を作り、同時にナーチャリングやブランディング(第一想起の獲得)まで出来るウェビナーは本当にすごい!と思っています。

弊社も多くのウェビナーを企画して登壇してきました

ちょっと昔話ですが、、、
私は、新卒から数年の間は福岡支店でSaaSの営業やCSをしていたのですが、当時、他社の最新情報や一次情報を得るのは難しく、ネット上で探しても、自分が興味のあるテーマにたどり着くまでにかなりの時間がかかることが多かったです。
ようやく辿り着いた参加したいイベントも1-2ヶ月先ですぐに知りたいことを解決できずに、「オンラインで情報が発信されていたらどれだけ良いか」と幾度度なく考えていました。

今でこそ様々な経験を経て、人脈も広がり、会食などで詳しい人に直接時間をもらって話を聞かせてもらうことができるようになりましたが、当時はまだ若いし、お金も人脈もなく、すでに子供も2人いたので、この「情報を取得する」という行動がとてもハードルが高かったなと。
この時期から考えると本当に変わったなと感じます。

直近1年間(2024年)のウェビナー施策

共催ウェビナーが乱立して、その延長線上の施策として今増えているのが、オンラインカンファレンスです。冒頭触れましたが、私自身、2024年だけで合計27企画に携わってきました。

【実績】Data Driven Marketing2024

【実績】働きがいと効率を両立するためのバックオフィス実践カンファレンス

主催企業だけが集客をするのではなく、登壇する企業も集客を行うようなイベントですね。(今でこそ一般的になりましたが、リード提供の割合を決める座組みを考えて広めていったのも実はFanGrowthだったりします)

FanGrowthでは、2023年1月に第1回目を開催していますが、2023年の8月に実施した「AI × Marketing」をテーマにした企画では3,500名を超える申し込みをいただくなど、大きな反響もありました。

これを機に、ご相談を頂くこともかなり増えてきており、今では毎月のように複数カンファレンスを実施する状態になっています。

このやり方で、弊社クライアントも以下のような成果を出しています。

  • 単月で2000件以上のリード獲得

  • カンファレンス1企画で50件以上の商談獲得

  • 事業開始から半年間で5,000件のリード獲得

    • 共催ウェビナーからの商談化率15%→毎月40件のアポ創出

  • リスト700件の状態から3ヶ月で3,000件のリード獲得、1企画50名の集客

短期間で上記のような成果が出ているのは、カンファレンスの存在が大きいと考えています。このような成果を受けて、多くの企業が注目して、今まさにカンファレンスが増え続けているのが最近の動向になります。

2025年、ウェビナーはどうなる?

では、今後ウェビナー・カンファレンスの施策って今後どうなっていくの?という話です。

「流行り」から「BtoBマーケの重要施策」へ

先に結論だけお伝えすると、「流行り」から「BtoBマーケの重要施策」になると考えています。戦略的にウェビナーを実施する会社もいれば、ROIが悪く、施策として継続しないという意思決定をすることも増えるでしょう。

ウェビナーを実施してリードが取れれば良いというだけではなく、本当に受注に貢献できてるんだっけ?というのが2025年のテーマになります。

2024年に入り、「ウェビナーの乱立」という言葉を耳にする機会が増えましたが、BtoBマーケティングの重要な施策としてウェビナーが定着してきた今、それ自体は当然の流れと言えます。しかし、視聴者のニーズを無視したウェビナーが増えていることが問題です。
このようなウェビナーは、2025年には淘汰されていくでしょう。視聴者の離脱が進み、メール配信のオプトアウトが増加し、最終的には施策としての効果を失ってしまう可能性があります。この傾向は、今後1年間でさらに顕著になると考えています。

これまでかなりの数、ウェビナー支援の中で企画をしてきて、自社のウェビナーでも発信してきましたので、2025年も今年とガラッと変わると言うのは確信しています。
上記のような内容を加味して、いま、感じていることをまとめておきます。

「視聴者メリット」の追求が結果的に、自社の成果に繋がる

ここでお伝えしたいのは、登壇企業メリットや自社都合の前に、改めて「視聴者メリット」を考える。という話です。

前提として、マーケティングチームではKPIを決めており、そのKPI達成のために企画を作ります。KPIは企業によって様々ですが、やはり一番多いのは「リード獲得」です。「ターゲットのリード獲得」「MQL」「商談獲得」「ターゲットの商談獲得」など様々なKPI項目がありますが、リード獲得が圧倒的に多い印象です。

ここでよく出てくるのが、「申込数最大化のための企画作成」です。とにかく引きが強そうなタイトルを考え、中身に関してはあまり考えないというものですね。これは共催ウェビナーでもカンファレンスでも同じことが起きています。

「申込数最大化のための企画作成」の弊害として、登壇内容の質の低下が挙げられます。多くの人が勘違いしていることでもあるのですが、登壇内容自体は申込数に影響します。

ウェビナー担当者であれば、「同じ企業が何回もウェビナーに参加してくれている」という経験をしたことがあると思いますが、一度参加して良いと思ったら、定期的に情報を取得するためにウェビナーに参加してくれるようになります。この積み重ねが=集客力に繋がります。イメージはファンを増やすのに近いです。

実際に、集客力がある企業には、以下のような特徴があります。

  • 視聴者に何が届けられるかを考え抜き、毎回テーマに合わせて登壇内容を作りかえている

  • すぐに使える具体的なTipsを入れている

  • 他では聞けないような一次情報を入れている

  • パネルディスカッションで、視聴者とインタラクティブなコミュニケーションを実施している

確かに、ウェビナーの申込をする時点では登壇内容の良し悪しが判断できないので、直接集客数に寄与しないわけですが、普通に考えて、一度見て面白くなければ二度と見ようとは思わないですよね。結果的に視聴してくれる人の数が減っていき、ウェビナー施策の効果が薄くなっていきます。

そんなことはウェビナー担当も分かっているのですが、上記のような内容が理由で申込が少なくなっているケースが多いです。もはやメルマガの改善やウェビナーテーマの改善ではないのです。

なぜ、ウェビナーの質が改善されないのか

ウェビナーの質がなかなか向上しない理由として、登壇者とのコミュニケーションに高いハードルがあることが挙げられます。多くのウェビナー担当者は自分で登壇するのではなく、登壇者に依頼して話してもらうケースが一般的です。登壇者は、企業の顔として多くの視聴者の前に立つため、知見の深い方や役職の高い方が選ばれることが多いですよね。こうした背景から、担当者とのやり取りが「忙しい中すみませんが、出来る限りの範囲で、資料の準備をお願いします」といった控えめなものになりがちです。

流れ作業化するウェビナーの問題

ウェビナー担当者の視点から見ても、大きな問題があります。
それは、ウェビナーが完全に流れ作業になってしまっているということです。
先ほど少し触れたように、リード獲得を目的にウェビナーを実施している会社が多いため、中身については登壇者任せで、構成やストーリーなどがバラバラなケースが多いです。最近カンファレンスでも多いのですが、企画側の要望はあまりなく、内容は登壇者がすべて決めるというものがこの最たる例だと考えています。これだとテーマと登壇内容にギャップが出てしまい、満足度も下がります。当然、リピートにもなりません。

長期的視点でハウスリストとの関係構築が重要

ウェビナー運営で最も大切なのは、ハウスリストの中の将来の顧客とどうコミュニケーションを取り、関係を構築していくか、という視点です。しかし、これが意外と難しいのも事実です。

多くのウェビナー担当者は目先のリード獲得や商談獲得をKPIとして追いかけており、「ナーチャリング(関係構築・定期接触)」という長期的な視点を持っていないケースも多いです。

前述の通り、ウェビナーはリピーターを増やすことで集客数が伸びていきます。そして、集客力のある企業同士でウェビナーを共催できるようになると、さらに大きな成果が期待できます。なので、「今月のKPIさえ達成できれば良い」という短期的な視点だけではなく、一度接点を持った視聴者とどう関係を築いていくかが成功のカギとなります。

現在、ウェビナーやオンラインコンテンツが急増している中で、内容がイマイチなウェビナーには視聴者が二度と参加してくれないのは明らかです。視聴者にとってのメリットを徹底的に考え抜くことが、ウェビナー全体の成果に直結します。このポイントを押さえておくだけでも、ウェビナー運営の質が大きく変わるはずです。

エンゲージメントを高めて、ハウスリスト1.2万件から750名の集客を実現した事例は下記の記事でもまとめていますので、もし具体的な内容が気になったらちらっと覗いてみてください!

この事例は私がマーケティングの立ち上げ支援で入り、様々な施策を実施した時の施策結果になりますが、「ハウスリストが1.2万件しかないのに、3回のメール配信で750名のウェビナー集客ができた」というものです。

今後、取り組むべきテーマ

ここまで見ていただいた方、ありがとうございました!
最後に、番外編として、今後ウェビナー担当が取り組むべきテーマとして2つだけ紹介します。

ナーチャリングコンテンツの設計

SaaSのPLGモデルの場合はまた少しやり方が変わると思いますが、多くのBtoB企業では営業チームがいて、プロダクトやサービスを提供していると思います。リードタイムもBtoCに比べると長くなるケースが多いため、検討フェーズではない時のコミュニケーションも非常に重要になってきます。

具体的にお伝えすると、下記内容を実行すると良いですね!
①ターゲットを明確にする
②第一想起されたいキーワードを決める
③ウェビナーテーマに落とし込む(課題解決型コンテンツの作成)
④CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)を広げる

今回詳しくは触れませんが、中長期的な関係構築をする必要があり、「〇〇と言えば、FanGrowth!この分野において、何かあったらFanGrowthに相談しよう!」という状態がいかに作れるかという話ですね。

コンテンツの二次利用

これはシンプルで視聴者にとって価値がある企画を作成して、満足度が高かった企画を中心にどんどんアーカイブ配信をしていきましょう。という話です。
ウェビナーは1企画に時間がかかる施策なので、1回配信して終わるのはもったいないです。一定、ハウスリストへの集客も必要になるので、すべてを再配信する必要はないと思いますが、効率良く成果に繋げるためにも考え抜いて当たった企画については三次利用、四次利用をするようにしましょう!

  • アーカイブ配信をする

  • 登壇資料を修正して、メルマガ配信コンテンツに使う

  • イベントレポート化して3分でサクッと読めるコンテンツにする

  • Youtube動画用に編集する

などさまざまな方法があります。最近では、最終アウトプットから逆算して企画をすることも多くなりました。コンテンツ化をするためにどのような企画にするのが良いか?どのような流れで話すのが良いか?どんな構成にするのが良いかを考えながらすり合わせて、最終コンテンツに落としていきます。ぜひ、まずはアーカイブ配信からチャレンジしてみてください!

さいごに

今回、2025年のウェビナーについてまとめましたが、この市場は来年本当にガラッと変わっていくと考えているので、楽しみで仕方がないです!
何度もしつこいかもしれませんが、リードも獲得できて、商談も獲得できて、ブランディングもできて、リードタイムも短くなって、、、こんな素晴らしい施策はないなと思えるくらい良いと思います。

しかし、やり方を間違えてしまうと時間だけ無駄に使って成果にもつながらない施策になってしまうため、何かお困りごとがあれば気軽に相談してください!

FanGrowthは積極的に採用していますので、会社に興味があります!という方もぜひこっそり連絡もらえると嬉しいです!


それでは、次回は事業責任者の大熊からになります!楽しみにしておいてくださいー!

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山縣 昇也
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