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【大地震を経験した私の結論】 わが家で災害用の保存食をほとんど買わない理由とは?

毎年9月から10月にかけては、とくに自然災害が増える時期です。
しかし、いつかやらなければと思いながら、なかなか実践できないのが自宅の防災対策。「何からやればいい?」「好きなデザインがない」「置き場所に困る」「めんどくさい」などなど…。

そんな方に向けて、2021年3月に発刊した『おしゃれ防災アイデア帖』から、とくに「真似したい」「参考になる!」の声が多かったアイデアを抜粋掲載します。

著者は、2018年に大阪北部地震を経験し、防災の意識が大きく変わっという整理収納アドバイザーのMisaさん。スッキリ暮らして無理なく続く、防災アイデアばかりです。ぜひ、防災対策のヒントにしてみてください。

◎食品備蓄の収納とローリングストック

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わが家では、災害用に作られた保存食をほとんど購入していません。今まで食べたことがない保存食を選ぶのが難しく、どれがいいのかわからなくて探すのが面倒になってしまったのです。

そのため考え方を変えて、食べ慣れていておいしいものの中から、比較的日持ちするものを見つけて備蓄することにしました。今まで気にとめていませんでしたが、食べ慣れているものの中にも思いのほか賞味期限が長いものがあったり、ローリングストックに向いているものがありました。

わが家はキッチンにパントリーがないので、廊下にある収納の一部がその役目をしています。ここでも〝防災専用の食材〞と分けずに、賞味期限の長さや種類でざっくりと分けています。

〔ローリングストックとは〕
普段食べている食材を多めに買っておき、食べた分だけ補充していく方法のこと。日々の暮らしの中で、少しずつ食べながら、もしもの時に備えることができます。 収納スペースの限られた住宅状況に合った食材の備え方です。

わが家の食品の備蓄も、特別な長期保存食ではなく、食べ慣れたものや自分がおいしいと思えるものを選んで備えています。値段も長期保存用のものより手頃ですよね。

・缶詰のストック

P95クーラーボックスの中身

缶詰類は賞味期限も長く買い替えのサイクルが頻繁ではないので、クーラーボックスの中に収納しています。クーラーボックスを使うことが多い夏にはついでに中身をチェックできて、使わない期間はこうして収納スペースとして活用しています。

・ジュースや調味料のストック

P95ジュースや調味料

野菜ジュースや調味料もローリングストック。キッチンに分散させず一括管理しています。上からみると何があるかひと目でわかります。

・袋麺のストック

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袋麺やレトルト食品は買い替えのサイクルが短いものが多いです。賞味期限が残り少ないことに気づいたらキッチンに移動し早めに消費するように工夫しています。細かく仕分けず、ざっくりと収納。

◎わが家で実践している食品備蓄のアイデア

普段から食べ慣れているものや、家族の好みに合わせて選んでいます。防災食でなくても賞味期限が比較的長い食品もあります。停電時にも、野菜や卵などと合わせておいしく食べられるようにと考えています。半年、1年、2年と、保存できる期間でわけてご紹介します。

賞味期限が半年以上のもの

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カップ入りスープ、インスタント味噌汁、袋麺、野菜ジュース、きな粉、スティックゼリー。
お湯を注ぐだけで食べられる食品を備えています。きな粉は湯がいたお餅とセットで。スティックゼリーも子どもが食べ慣れているおやつです。

賞味期限が1年以上のもの

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バランス栄養食、餅、コーンフレーク、飴、粉末スープ、パウチスープ、ちらし寿司の素、パスタソース、トマトソース。
どれもふだん食べ慣れているものです。ご飯に混ぜるだけ、パスタにあえるだけの食品も常備するようにしています。

賞味期限が2年以上のもの

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ホットケーキの粉、パスタ、レトルトカレー、パウチスープ、缶詰。
卵をあわせて食べるタイプのスープも備えています。缶詰は子どもと実際に食べてみて、焼き鳥好きの長男用に焼き鳥缶、煮魚好きの次男用にサバ缶を選んでいます。

賞味期限が5年以上のもの

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かんぱん、長期保存用の飴やクッキー、氷砂糖、災害用の長期保存食。
食べてみて家族が気に入ったものを選んでいます。災害用の長期保存食は、加熱なし、水だけで調理が可能で種類が豊富な「イザメシ」シリーズを備えています。

◎もしもの時にも使える調理雑貨

・まな板シート

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普段は魚やお肉を切る時に便利に使えるまな板シート。まな板を汚さず衛生的なので、災害時にも役に立ちます。

・湯煎もできるポリ袋

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袋の中で食材を混ぜてそのまま湯煎ができるポリ袋。普段は下ごしらえにも使えて、災害時はパッククッキングに使えます。

・フライパンシート

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これを敷いて焼くとフライパンが汚れません。使い終わったら捨てるだけなので、災害時にも役に立ちます。

◎防災と暮らしをセットで考えるーー「はじめに」より

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私は、小学生の息子2人と夫と4人で暮らしています。実は、「防災」「備え」という言葉がずっと苦手でした。めんどくさくて、どうしても楽しい気持ちにはなれなかったからです。

雑誌の中で特集があっても読み飛ばしていたような私ですが、2018年の大阪府北部地震を機に防災に対する意識が変わりました。

当時、子どもはまだ6歳と4歳でした。私の防災知識はゼロに近く、家には防災グッズがひとつもない状態。こんな無防備な家で、幼い2人をどうやって守ったらいいのだと、怖くて、とても情けない気持ちになりました。
防災と暮らしをセットで考えるようになったのは、そんな苦い経験からです。

もしもの時も、いつもに近い暮らしを続けるためには、どんな対策をしておけばいいのか知りたいと強く思いました。自治体の防災冊子で自分なりに調べてみましたが、これだと思えるものにはなかなかたどり着けませんでした。

防災講座を探して参加しながら、少しずつ備えを考えるうちにだんだん「暮らしの数だけ備えがある」と思えてきたのです。もしもの時に、困りごとを少しでも減らすものや知識が防災なら、それは人や暮らしのかたちによって変わってくるでしょう。

それなら、普段の暮らしをもとに考えていく方が本当に必要なことが見つけやすいはずです。そして、日常に溶け込む防災であれば、自分にも続けられそうだと思いました。

この本でご紹介するのは、防災のプロではなく一人の母親であり整理収納アドバイザーである私が暮らしを楽しみながら、もしもの時の安心を備えるアイデアです。

家族が好きな味の備蓄食材や、使いやすい収納、管理しやすい仕組み、防災を無理なく続けるための、暮らしの工夫を紹介しています。

読んでくださった方にとって自分の暮らしに寄り添う備えをはじめるきっかけになったり「これならできそう!」と思っていただけると嬉しいです。