ため息が出るほど美しいカレンダー。素敵に飾って、お部屋にときめきと癒しを
――フラワーデザインでこだわったのはどんなところですか?
今回は、「ふんわり柔らかいイメージ」というご依頼だったので、全体的に彩度を低めにして、淡く優しい雰囲気にまとめました。
バラ選びにもこだわっていて、あまり街のお花屋さんには出回らないような希少なバラを使っているので、バラ愛好家の方にも楽しんでいただけると思います。
――希少なバラはどのようにして手に入れたのですか?
夜中の2時に起きて市場に出かけました。外はまだ真っ暗でしたが、特定の品種を手に入れるためには、一番乗りするくらいのつもりでいないと買えなかったりするのです。
――撮影で苦労したことはありますか?
室温の管理です。花の鮮度を保つために、冬は暖房をつけず、夏は冷房でキンキンに部屋を冷やしていますので、1年中寒さ対策で厚着をして撮影しています。花を生けること自体はつらく感じませんが、苦労といえば、早起きと寒さかもしれません。
――バラを美しく撮影するために工夫されたことはありますか?
バラだけでなく花全般にいえることですが、早く開く花とそうでないものがあるので、ベストなタイミングで撮影するのは一苦労です。市場ではつぼみの状態で売っているので、開くのが遅い花は、いつも早めに買うようにしています。
夏はバラの花びらが多くて蒸れやすいので、素早く撮影しなくてはならないですし、冬は日が短くて自然光で撮影できる時間が限られているので、常に時間との勝負ですね。
――バラの魅力はどんなところですか?
ダリアやラナンキュラスも華やかですが、バラは優雅で気高くて、ほかの花にはない魅力があります。かと思えば、マカロンのように丸みがあって可愛らしかったり、青味があって神秘的なオーラを放っていたり、いろいろな顔を持っているので、飽きることがありません。
これだけ品種が多いのも、バラが古くから多くの人に愛されてきた証拠だと思います。ひとえに農園の方々の努力の賜物です。
――カレンダーをどんなふうに楽しんでもらいたいですか?
ぜひリビングに飾っていただきたいです。カレンダーは毎日何回も見るものなので、癒しやエネルギーを与えられる存在になれたらいいなと思います。私自身、楽しみながら花を選んだり生けたりしたので、みなさんにその楽しさが伝わったらうれしいです。
(さいごに)
田辺ゆりさんのアレンジメントを眺めていると、ほっと心が和んだり、元気をもらったりします。2024年は、「心ときめくバラと季節の花カレンダー」を愛でながら、くつろぎのひとときを過ごしてみませんか。次回は月ごとのアレンジメントについてご紹介していきます。