愛犬をかわいく撮影する神技テクニックをプロの動物写真家が紹介!
ヤマケイカレンダーの中でも人気が高い『柴犬』。カレンダー2023の『柴犬』は、「凛々しくてかわいい写真がいっぱい」と評判を呼んでいます。
撮影したのは動物写真家の福田豊文さんで、犬好きにはたまらない「神カット」の新作が続々登場。その撮影秘話と愛犬をかわいく撮影する神技テクニックをお聞きしました。
——毎年たくさんの柴犬写真を撮られていますが、普段柴犬はどのように探しているのでしょうか?
柴犬のブリーダーさん10人くらいとお付き合いをしていて、子犬が生まれると連絡をくれます。また、公益社団法人日本犬保存会や天然記念物柴犬保存会の展覧会を通して、柴犬を毎年撮影しています。
——2023年の表紙は、犬が笑っていてとってもかわいい!と人気があります。このような笑顔の写真は、どうやって撮るといいですか?
犬の目線と同じ高さにレンズを合わせるのがポイントです。
ローアングルにしながら、高さを微調整して、笑って見える角度はどれか探りながら撮影しています。
犬の撮影の場合、舌が出ていると笑っているように見えるので、ボールで遊ばせたり、走らせたりすることも。カレンダー2023の『柴犬』の表紙は、舌を出して笑っているように見える瞬間を狙いました。
笑顔でかわいい写真を撮ろうとするなら、舌が出ている瞬間を捉えましょう。ただし、犬のコンディションによって、疲れ過ぎていたり、暑過ぎたりすると舌がびろーんと伸び過ぎてしまうので気をつけます。
——福田さんの写真のように自然な笑顔で表情豊かに愛犬を撮るのは難しいと思いますが、素人でも愛犬をかわいく撮影する神技テクニックがありましたら、ぜひ教えてください!
これまでの経験を踏まえてお伝えしますね。
【3大神技テクニック】
1. あえて逆光で撮る
逆光を避けて撮影する人が多いと思いますが、柴犬の場合は毛並みの美しさを引き出したいので、逆光で撮影します。
2. レフ板を使用してアイキャッチを入れる
目のキャッチを入れるために、レフ板を使用します。レフ板がない場合はストロボやLEDの照明器具を使用します。
3. 瞳にピントを合わせて連写する
最近の一眼レフには、瞳にピントを合わせて撮影できるモードがあります。もし最新のモードが付いたカメラをお持ちなら、瞳にピントを合わせる設定にしてから連写しましょう。連写することで愛犬の自然な一瞬の動きを捉えることができるので、おすすめです。
——2023年の『柴犬』カレンダー、何月がイチオシでしょうか?
12ヶ月、どれもひとつひとつに思い入れがあるので選べません。でも、強いて言えば、7月と12月です。
特に思い出深いのは、7月。腰を痛めている時期に、子犬が生まれたと飼い主さんから連絡があって撮りに行ったのです。下田の方の海辺近くに駐車して、撮影現場まで皆さんに荷物を運んでもらいました。ちょうどいい場所に流木があったので、そこに子犬を並ばせて。腰がとても痛くて辛かったのですが、周りの人にたくさん助けてもらって撮影できました。
12月の写真も感慨深いものがあります。犬が吐く白い息を撮りたくてね。妙義山の近くで夜明け前から撮影をしました。実はこのアングルは何度かチャレンジしていたのですが、なかなか撮れず、ようやくいい写真ができたと思います。
——カレンダーの表紙はどうやって写真をセレクトして、決めているのでしょうか?
2023年のカレンダーは、究極に凛々しくて笑顔のかわいい写真を編集者さんと相談しながら選びました。柴犬のカレンダーを撮り始めて15年程になりますが、過去の作品を見ると面白いですね。キリッとかっこいい顔が表紙になっていたり、横顔の鼻筋がスッとしたものが表紙になっていたり。これからも楽しみながら柴犬を撮り続けていきたいです。
毎年撮り下ろされて、選び抜かれた柴犬の写真がカレンダーになっています。『カレンダー2023 柴犬』好評発売中。