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【読書感想文】魔王信長が召喚した邪神が織りなす戦国×ファンタジー超大作『ジャバウォック ~真田邪忍帖~』

戦国時代を舞台にした壮大な伝奇アクション小説。魔王織田信長が召喚した邪悪な神々が織りなす物語が展開される。

本書に登場する真田の名を持つ侍、真田大介の葛藤は非常に深いものだ。彼は真田幸村の忘れ形見として、家族の名誉や期待を背負いながら生きている。しかし、物語の中で彼が直面するのは、過去の影や自らの運命に対する不安である。大介は、魔王織田信長によって復活した邪神軍団と戦うために立ち上がるが、その過程で自分自身のアイデンティティや、真田家の名を守ることの意味について考えるようになる。

また、物語の舞台背景も非常にユニークで、日本の忍者や剣術に加え、オークやゴブリンといった西洋の魔物が登場する。こうした和洋折衷の要素が、過去と未来が交錯する独特な世界観を作り出している。特に、未来人の介入が暗示されるシーンでは、思わず目を奪われるような驚きがあった。このような異なる文化や時代が融合する描写は、作者の創造力を感じさせる。

ただし、物語にはエロティックな描写やグロテスクな要素も含まれており、これが好みの分かれるところかもしれない。個人的には、こうした要素が物語にリアリティを与えつつも、時に不快感を覚えることもあった。しかし、それもまたこの作品の一部であり、全体の雰囲気を形成する要因となっている。

結末に向けての展開は、予想外の方向に進むこともあり、最後までハラハラさせられた。特に、兄妹の関係性の変化や、彼らが直面する試練は、感情的な深みを与えてくれる。最終的な決着はあっさりとしたものだが、それが却って印象的で、余韻を残す終わり方となっている。

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