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【読書感想文】溺死か殺人か、D浜に渦巻く疑惑の潮流『D浜海水浴場殺人事件 短編小説』
夏の海水浴場といえば、賑やかな人々とキラキラ輝く波ですよね。でも、この小説では、そんな楽しい雰囲気とは裏腹に、ある事件が起こります。若い女性の溺死体が発見されたのです。警察は単なる事故と考えていましたが、そこに現れたホームレスの男が「これは殺人だ!」と主張し、物語は一変します。
この小説のテーマは、「見かけによらない」ということ。ホームレスに見える男が、実は鋭い推理力を持つ人物だったという設定は、私たちも日常で経験する「意外な一面」を思い出させます。見た目で人を判断することの危険性を、この小説は教えてくれます。
特に面白いのは、ホームレスの男が事件の真相を解き明かしていくシーンです。彼の推理は、まるでパズルを解くように緻密で、読者も一緒に謎解きに参加しているような感覚になります。
この作品を読んで、私は「人間観察」の楽しさを改めて感じました。海水浴場という場所は、様々な人が集まるため、ミステリーの舞台として最適な場所なのかもしれません。
最初は「ホームレスが探偵?」と意外に思ったのですが、読み進めるうちに、その先入観が恥ずかしくなるほど、物語に引き込まれました。この小説は、私たちの中に潜む偏見をも照らし出す力を持っていると感じます。