【読書感想文】リスたちの愛すべき姿に心が和む『カルアシ・チミーのおはなし』
冬支度のためクルミを溜め込んでいたカルアシ・チミー。しかしながら、チミーは他のリス仲間に誤解され、木の穴に閉じ込められてしまうのです。運良く中にいたシマリスのチピーに助けられますが、太りすぎて外に出られなくなります。ところが嵐の夜、木が折れたことで事態は好転。チミーは家族のもとへと無事帰れるのでした。
本書のテーマは、「思いやりの大切さ」だと私は考えます。チミーが助けられたのは、チピーという小さな存在の思いやりのおかげでした。また、チミーは仲間に誤解され木のうろに閉じ込められてしまっても、決して復讐心を抱きません。チピーへの感謝の気持ちだけが、作品のなかに静かに綴られています。
他の見どころとしては、動物たちの愛らしい描写もあります。たとえばチミーが太ってしまい木の穴から出られなくなるエピソードは、クマのプーさんを思い出すユーモアあふれるエピソードです。
総評として、『カルアシ・チミーのおはなし』は、その緻密な描写と、心温まる物語によって、大人も子供も楽しめる作品と言えます。
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