見出し画像

【読書感想文】愛ゆえに迷い、剣を振るう。七花の決意とは?『刀語 第五話 賊刀・鎧』

無刀の剣士・鑢七花と、変体刀コレクターのとがめは、十二本の変体刀を探す旅の途中、薩摩の海賊船長・校倉必と対峙します。校倉は、最強の防御力を誇る変体刀「鎧」を所持しており、七花たちの前に立ちはだかります。愛に揺れる七花と、その心を試すような校倉の策略。果たして、七花は校倉を打ち破り、「鎧」を手にすることができるのでしょうか?

本作のテーマは、「愛」です。とがめへの愛ゆえに、七花は迷い、苦悩します。それは、恋に悩む少年少女のようでありながら、最強の剣士としてのプライドも揺さぶられます。愛と剣、二つの感情がせめぎ合い、七花の心が繊細かつドラマティックに描かれている点が、本作の魅力です。

見どころは、七花と校倉の壮絶なバトルです。「鎧」を装備した校倉はまさに鉄壁の要塞。七花は苦戦を強いられますが、決して諦めません。愛する者のために、そして最強の剣士としてのプライドをかけて、校倉との戦いに挑む七花の姿は、読者の心を熱くさせるでしょう。

愛は人を強くし、時には人を苦しめる。しかし、愛は決して消えることのない、人間の根源的な感情です。本作は、そんな愛の物語を、剣という壮大な舞台で描き出します。アクションシーンの迫力はもちろん、登場人物たちの心の動きにも注目しながら読むと、より深く作品の世界に入り込めるでしょう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?