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【読書感想文】死体に隠された秘密。真犯人の正体と動機。衝撃の展開が待ち受ける!『被疑者アンデルセンの逃亡 (下) (竹書房文庫)』

上下巻に分けて出版された後編になります。

本書は、アナが殺されたと思われる事件に巻き込まれた主人公アンデルセンが、自分が犯人だと疑われながらも、真相を探るために逃亡するという展開から始まります。上巻では、アンデルセンがアナの死体を見たときに感じた違和感の正体を突き止めるために、危険な場所に潜入したり、自分を逮捕しようとする刑事と対峙したりするというスリリングな物語でした。そして下巻では、アンデルセンは、アナの胸に施された手術の目的や、もう一人の被害者の存在を探ります。一方で真犯人も彼の動きに気づき、彼を始末しようと動き出すのでした。真犯人の罠にはまり、命の危機に陥るアンデルセン。果たして、彼は真犯人を捕まえ、アナの死の真相を解き明かすことができるのか?

私が思うこの本のテーマは、「愛と正義」です。アンデルセンは、自分の愛するアナの死の真相を知るために、あらゆる困難に立ち向かいます。彼は、自分が犯人だと思われても、警察に捕まっても、真犯人に襲われても、決して諦めません。アンデルセンの愛と正義感は、読んでいるこっちにも強く伝わってくるようでした。

この本は、最初から最後までハラハラドキドキさせられますが、やはりおすすめポイントは、その驚きの展開と緻密な伏線回収です。特に、アナの死体に隠された秘密や、真犯人の正体や動機などは、読んでいて思わず声を上げてしまうほどの衝撃でした。また、上巻で描かれたさまざまな出来事や登場人物が、下巻でどのように関係しているのかが明らかになるときなど、作者の巧みな構成力にも感嘆します。

総評として、この本は、スリルと感動の両方を味わえる、まさに私の今年の読書体験を締めくくる素晴らしい作品でした。愛する人のために何ができるのか、正義とは何なのか、自分は何を信じて生きるのか。こうした問いに答えを出すためのヒントを与えてくれるようにも感じました。スリラーが好きな人だけでなく、人間の心に触れたい人、愛と正義について考えたい人にもお勧めです。

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