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【読書感想文】ABCの署名、連続する謎!ポアロの最高傑作、心理戦の極み!『ABC殺人事件』

名探偵エルキュール・ポアロが活躍する、ミステリーの世界における一つの傑作です。物語の冒頭、ポアロは自分宛ての挑戦状を受け取りました。その挑戦状には、謎めいた「ABC」という署名と共に、殺人が起こる日時と場所が記されていたのです。ポアロは予告通りに起こる殺人事件の解決に挑むものの、犯人は彼の推理を常に一歩先んじています。犯人はアルファベット順に名前の頭文字が同じ人物を次々と狙い、ポアロは犯人の正体と動機を暴くために奔走します。

この物語の主要なテーマは犯罪心理学と推理の駆け引き。特に注目すべきは犯人の手口とポアロの推理の対比です。犯人は自らの犯行を公表し、ポアロを挑発するのですが、ポアロは犯人の心理を読み解き、事件の真相に迫るという展開です。また、犯人が選ぶ被害者は一見無関係な普通の人々ですが、実は犯人にとってはそれぞれに意味があるのです。この物語は、犯人と被害者の視点を交互に描くことで、犯罪の背景と影響を深く掘り下げています。

読んでいる間、私は犯人の次のターゲットが誰なのか?ポアロがどのように犯人を追い詰めるのか?次々と湧き上がる疑問に心が躍りました。この物語は単なるミステリーに留まらず、人間の心の闇と光を巧みに描き出しています。特に印象深いのは、最後に明かされる犯人の告白です。犯人は自らの罪を認めることができるのでしょうか?ポアロはどのように犯人に対処するのでしょうか?この物語は、深く考えさせる結末を用意しています。

総評として、『ABC殺人事件』はアガサ・クリスティーの中でも特に際立った作品でした。ミステリー愛好家はもちろん、人間ドラマに興味を持つ読者にも強くおすすめできます。


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