【読書感想文】滅亡都市に残された最後の生き残り、彼の正体は?『ギルドレ(3) 滅亡都市』
カイルは、自分が何者なのか、何のために生きているのか、わからない中、学園の司令官から、あるミッションが与えられます。それは、一晩で壊滅した都市で生存者を救出するというもの。カイルは、学園のエースパイロット・セロとそのメンバーたちとともに、最新鋭のドローンを駆使して、都市に潜入します。そこで彼らが見た生存者の正体は、カイルの記憶に深く関わる人物でした。カイルは、自分の過去と向き合うことになり、それが彼の未来にも大きな影響を及ぼすことを知るのです。
この本は、朝霧カフカさんの人気シリーズ「ギルドレ」の第三巻。前作から引き続き、カイルの成長と冒険を描いています。このシリーズは、近未来の世界を舞台に、人間とドローンの関係や、科学と魔法の対立など、様々なテーマを取り上げています。作者の想像力と筆力には、感嘆するばかりです。
カイルが自分の運命に立ち向かう姿には、胸が熱くなりました。彼には、どうか幸せになってほしいと思いました。カイルのキャラクターは、記憶喪失というハンディを持ちながらも、勇敢で正義感が強く、仲間思いでした。彼の行動や感情には、共感できる部分が多かったです。また、カイルのパートナーであるセロも、魅力的なキャラクターでした。彼は、カイルとは対照的に、冷静で頭脳明晰で、ドローンの操作に長けていました。しかし、彼にも、カイルと同じくらいの苦悩や秘密があり、二人の関係は、友情とライバルの間を揺れ動きます。
この本の見どころは、やはり、滅亡都市の探索シーンです。そこでは、カイルとセロは、驚くべき発見や危機に直面します。特に、生存者の正体や、カイルの記憶の一部が明らかになる場面は、衝撃的でした。ギルドレシリーズのファンはもちろん、SFやアクションが好きな方にもおすすめです。