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【読書感想文】森の動物たちが教える、優しさと希望のメッセージ『きみのことが だいすき』

いぬいさえこ著「きみのことが だいすき」は、小さな動物たちが暮らす森を舞台にした心温まるメッセージが詰まった絵本です。この作品は、日常の些細な出来事や感情を通じて、生きることの素晴らしさや、互いを思いやる大切さを優しく伝えています。

本作の語り手は、森に住む様々な動物たち。彼らの会話や行動、例えば、悲しい気持ちを抑え込む必要はないと諭すシーンや、誰もが完璧ではないことを肯定的に受け止める場面などが描かれています。

見どころの一つは、繊細かつ温かみのある挿絵と、シンプルながら力強いメッセージの調和です。視覚と言葉の両面から、著者の伝えたい思いが効果的に表現されています。

私は本作を通して、人生には様々な困難や悲しみがあることを認めつつ、それらを乗り越える力や希望を見出すことができました。森の動物たちの優しさや思いやりに満ちた交流は、人間社会にも通じるものがあり、読後には心が温かくなります。

また、本書は子供向けの絵本でありながら、大人が読んでも多くの気づきや学びを得られる奥深さがあります。日々の忙しさに追われ、自分や周囲の人々の感情に向き合う時間を持てない現代人にとって、この絵本は自己と他者への理解を深める貴重な機会となるかもしれません。

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