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【読書感想文】信頼と裏切り、アヒルのジマイマが教える人生の教訓『ピーターラビットシリーズ ⑪ あひるのジマイマのおはなし』

本書は、アヒルのジマイマが主人公。彼女の世話焼き体質な一面とともに、意地っ張りな面が描かれています。卵をかえすのが下手なジマイマは、周囲に卵を取り上げられて癇癪を起こし、ついには家を飛び出してしまいます。

家を飛び出し卵を孵すための巣を探すジマイマの前に現れたのが、悪賢いキツネの紳士でした。彼は巧みな言葉巧みでジマイマを自宅に誘い込み、卵を安全に生ませようと画策するのですが、その本当の目的は、卵からかえったヒナとジマイマ自身をオムレツと丸焼きにするだったのです。

危機に陥ったジマイマですが、運良く主人の番犬ケップに気づかれ、仲間の助けを借りて辛くも脱出することができたのです。この救助劇では動物たちの連帯が描かれ、個々の命の尊さと共生の大切さが強調されているようにも読めるのでしょう。

この展開には、私もかなりドキドキしてしまいました。キツネに騙されたジマイマが、一体どうなってしまうのかと思うと、ページをめくるのが怖くなってしまったくらいでした。しかし、勇敢な番犬のケップとその仲間たちが立ち上がり、事態は急転回。最後は無事に家族と再会を果たすことができ、ホッと胸をなでおろしました。

「あひるのジマイマのおはなし」は、読むたびに新しい発見があり、何度でも読み返したくなるような物語です。ポターの作品は時代を超えて愛され続けており、この物語も例外ではありません。子どもたちにとっては、想像力を育む素晴らしい物語であり、大人にとっても、忙しい日常を忘れさせてくれる癒しの一冊と言えます。

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