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【読書感想文】群雄割拠の時代、それぞれの選択が織りなす人間ドラマ『三国志(三) (吉川英治歴史時代文庫)』
古代中国の波乱万丈な時代を舞台に、英雄たちの生き様と戦略が織り成す歴史絵巻。本巻では、黄巾賊の乱から十年後の中国を描き、曹操、劉備、呂布、孫策といった主要な登場人物たちの動向を中心に展開する。
曹操の勢力が増す中、劉備は一進一退を繰り返しながらも、打倒曹操を目指して奮闘する日々を送っていた。対する曹操のもとには、名将徐晃や四天王の夏侯惇、夏侯淵、曹仁、曹洪が集結。さらに荀彧、程昱、郭嘉といった参謀たちが策を練る布陣が敷かれていた。
本作の見どころは、二虎競食の計や駆虎呑狼の計といった戦略が繰り広げられ、劉備、関羽、張飛の絆がさらに深まる場面だろう。また、勇将でありながら英雄になりきれない甘さを持つ呂布の存在もポイントだ。他にも、父孫堅を超える器量を持つ孫策の成長も見逃せない。
歴史の大きな流れの中で、個々の英雄たちの生き様と戦略が交錯する本作。戦略や戦術の描写も詳細で、歴史ファンにはたまらない一冊に仕上がっている。