Mission「地」:土地の風土の代弁者、地場の天然生の木を活かす
現代林業の主役を担うもの
林業といえば、まず思い浮かぶ木はなんでしょうか。奈良・吉野で有名な「杉」、長野岐阜・木曽や三重・尾鷲で有名な「桧」、北日本や長野の「唐松」、そして岩手の「赤松」などが思い浮かぶのではないでしょうか。それらは針葉樹と呼ばれるもので、その多くが人工林です。
原則として、人工林は人間の管理下にある林ということができ、植えたそのときから収穫まで、適宜人の目と手が入っています。かつては全ての樹種が天然生の木でしたが、そのなかでも優れた特質を備える樹種が人工林へと引き抜かれ、林業という生業を形成していきました。現代林業は、そうした針葉樹人工林を主体とした林業となっており、大量生産・安定供給による外国産材との競争を担っています。
かつて盛んだった天然木での生業
一方で、かつては天然生林での林業・木材業というのものも数多く存在していました。宮崎・霧島のアカマツや秋田の天然秋田杉、岐阜・飛騨のヒメコマツ、南九州のクスノキ、沖縄のイヌマキやカヤ、そして各地に自生する常緑広葉樹と落葉広葉樹たち。土地の風土が育んだ自然林・里山林たちは、たしかに管理のしにくい資源でしたが、その土地にあるものとして、上手に大事に活かされていました。
現代においては、天然生の自然林は人工林に後塵を拝してしまい、自然保護区として守られてしまったいるか、里山林として放置されているか、大きく二分されています。
人と付き合うように、木と付き合う。森と付き合う。
やまかわ製材舎のコンセプトの一つとして、こうした地場の天然生の素材の見直しを掲げています。天然生の森林というのは、その有機性の高さから管理がしにくいといわれ、現代産業の中心からは大きく外れてしまっていますが、有機性が高いということは、つまりは人に似ているということです。人と付き合うように、木と付き合う、森と付き合えば良いのです。
地物の価値の再定義を、ここ製材所から発信する
かつて民藝が盛んであった時代では、地域にあるものと上手に付き合ってきました。物流が広大でなかった当時、周辺にあるものを活かすことでしか、生活が成立しなかったからだとおもいます。必ずしも最上解があるとは限らない環境だからこそ、その地域風土のなかでの個別最適解を巧みに見出だし、知恵と技術を育んできました。
そうした地場の素材との付き合い方は、現代の産業であれば、過去同様に実現できるのではないでしょうか。地域に根付いた製材所が、そのための役割を担い、地場の素材を作り手使い手の皆様に提供していきます。
天然生の木々は、土地の風土の代弁者。その地域の自然環境と、そこで積み重ねられてきた人々の営みによる結晶です。そんな素材の価値こそ、地域の人間が解像度高く見出だし、活かしていきたいと考えています。決して工業的ではない有機的な素材だからこそ、現代なりの新しい木の文化が育まれていく可能性に満ちているはずです。
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