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新・人生観 / 合理的な中国人 / 愛すべきドイツ人
私がいるラオスで中国人の団体旅行客を批判しました。
でも、それは何十年まえの日本人だったとも書きました。
一人ひとりの中国のかたは好きなんです。
古くは李白。
恋人からラブレターが来ない、なんて悲しい詩もどこか滑稽になるの。
今の中国のかたも、合理的。
「これは高い、なぜ高いんだ?」
率直にお聞きになる。
「これはこういう材料を、こういう技法で、こういう職人が、こういう施設で、これだけの期間をかけたから高いのです」
「そうか、分かった」
納得すればお買い上げ。
アメリカ人みたいに、西陣の織りを、「なんで小さいほうが高いんだ?」とか無茶なことは言いません。
あとは、ドイツ人。
これもやっかいなところが私は好きです。
日本に旅行する、となったら東京生まれの私より地下鉄の乗り換えに詳しくなってからくるんじゃないですか。
感情を表にださない。
でも満喫しているんです。
日本人は白人だと、アメリカやオーストラリアをイメージするので、ドイツ人観光客は不満そう。
でもそれが彼らの通常運転なんですね。
ブリキのおもちゃとかが好きです。
やたらと安く売ると大変ですよ。
半年後とかに、ドイツ語か、まぁ、英語のレターが来たりします。
御社の製品にはとても満足している。しかしこの部分が故障してしまった。保証書を翻訳機で読んだところ、期限内でかつ日本国内での使用とのただし書きはなかった。
当地で修理して、請求してよいか、御社に送るべきか、ご返答願いたい。
御社の製品を愛するドイツの1ユーザー
めんどうくさい、でもそこがいい。
私はタイやイギリス、ブラジルが長かったけれど、中国人やドイツ人の友人ともよく出会えました。
中国とドイツも訪れる機会もありました。
前まで、住むなら、タイ国、オランダ、イギリスの3択だったけれど、今回ラオスにきて共産圏も変わってきているのを実感し、プラス、中国、ドイツもアリだな〜、っておもっています。
若いうちに「世界旅行」をしてから、大学なんかに行ったので、学生さんとは年齢の差がずいぶんありましたけれど、
「とりあえず、新しい国に行ったら、住めるかどうか判断する」、
という良いくせがつきましたね。
まずはビザ。
日本人への待遇はどうか。
つぎに、ビザとも絡みますが、仕事はあるのか。
ラオスはビザは無問題。
しかしふつうの仕事はないですねー
中国語がしゃべれないと。
悲しいことに。
あとは自分でビジネスオーナーになる。
でも私は日本でビジネスオーナーのようなものなので、こちらでは無職でもいいんです。
長期のバカンス。
ちょっと研究。
でも、まぁ、これ、ヒマとのタタカイでもあります。
FIRE ってあこがれるかた、多いようですけど、そのあとなにするの?
クリアしたゲームってつまらなくない?
そこで伏線回収。
李白の詩のもとになった漢代の無名詩があるの。
人間は100年も生きられないのに、1,000年先の心配をする。
昼が短くて夜の長さに苦しむ。
それならロウソクをもってきて、夜あそべばいいじゃないか。
なんで来年を待つんだ。
経済学、とくにファイナンスを研究して、お金は複利で長期投資が良いのは、学部のころから常識として知っています。
しかし私は今あるお金は、いま遣います。
『人生100年時代』
え、なんで、100歳まで必ず生きられる「前提」なの?
少なくとも経済学部だったら、確率論があったでしょう。ベルヌーイ試行とかポアソン分布とか聞かなかった?
聞いてなかった経済学部と理系さん以外に分かりやすく言うと、『人って死ぬ』
事故とか、病気。
一定期間にそういうイベント、ハッピーじゃなくても英語だとイベントの発生率を計るのが、ベルヌーイ試行とかポアソン分布なの。
落語で住所不定無職のお坊さんが死にかけて、大量に貯めこんだ銀貨をもちに入れて呑みこむ咄があるわね。
昼はみじかく、夜のながさに苦しむ
歓をなすいくばくぞ。
私は銀貨を呑みこむ無職にはならない。