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【実話】タイ射撃会社ものがたり#6

タイに水かけ祭りの季節がやってきた。タイ正月ね。

タイは元旦と中華系が行う2月ころの旧正月、4月の「ソンクラーン」というタイ正月。3回もお正月があって全部参加しちゃうの。
ハッピーなお国ねー

水かけ祭りではポンプ式の水鉄砲でピックアップに水タンクを載せてあばれ回る輩もでるわ。
私も負けじと高水圧のポンプで対抗、バンコク中を水びたしにしてやった。

弊社の若い男の社員はけっきょく土曜だけのアルバイトで平日はちがう仕事をしていたの。そうじゃなきゃタイ射撃体験の安月給ではやってられないもの。若山くん、なかなかのハンサムね、背は低いけれど。
学習院大を出て、バンコクにきて、アパートの洗濯係りの女の子を孕ませちゃった。

よくあるパターン。
わるく言うつもりはないけれど中国人や韓国のかたは責任はあまり取ってくれないらしいよ?
でもニッポン人はお腹に子どもができちゃうと、さて。
「ゴムはつけないでいいよ」
これが殺し文句。

私もつけないことはあったけれど、一定期間必ずピルを飲ませていたわね、そのまえに性病検査。
イキオイでつけないこともあるにもあったとはいわないけれども。逃げられる状況でしかそれはしない。卑怯?いえ、保身です。

カオサンロードや中華街でさんざん暴れて水びたしになって、会社に顔をだしたの。土曜だったから、若山くんと社長が手持ち無沙汰で座っていたわ。

そこへ充実した顔つきの私が水鉄砲もって参上したのが、若山くんのナニカのスイッチを入れちゃったみたい。

平日の正社員のシゴトを辞めて、タイ射撃体験の正社員になるって。

私は日本からの不労所得があるから安月給でも大丈夫だけれど、若山くんには「おカネよりやりがい」みたいな?ヘンな勘違いをさせちゃったみたい。もともと洗濯娘を孕ませて結婚しちゃうくらいだし。

たとえば「射撃ツアー」はお客が撃っているあいだはそっちの相手、でも撃ちおわったら、お客はお客どうしで雑談モードに入るでしょう?
そのときボーっとしていないで軍人と銃の分解、掃除を手伝うのよ。それで軍関係者と仲よくなれるし、銃のあつかいにも慣れてくる。
そういうことができないタイプなのよねー

ホテルの「営業」もあまりよくなかった。正直にいうとまるでダメ。
機械的に覚えたセリフを言うだけなんだもん。
相手の顔色で臨機応変に対応を変えていくのができないの。
「ネゴシエーション」、のちに行った大学で学んだことだけれどそれができない子だった。年齢はあまり変わらなかったと思うんだけれど、温室育ち。私は荒野で鍛えられていたからかも。

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