【雑談】見慣れた三国志も別言語版で触れてみると新鮮だぁね(『真・三國無双7』)
▼ 今更セブン
最近、『真・三國無双7 with 猛将伝』というゲームを遊んだ。
もうすぐシリーズ新作『ORIGINS』が発売されるのに今更『7』?と思う人もいそうだが、これには個人的な理由があって、まず自分が購入したのは二年前、2023年になる。
自分はその少し前からゲームをなるべく英語版で遊ぶようにしていて、特に英語音声のあるゲームを優先的に選ぶようにしていた。そんな中でふと「そーいえば『無双』シリーズって全然遊んだことなかったな」と思い、Steam で確認してみるとこの『三國無双7』が英語音声ありだった。(他は『戦国』や『Orochi』も含めて基本的に日本語音声のみだった)
で、購入して少し触ってみたのだが、独学で偏っていて日の浅い当時の自分の英語力では追いつけないことが分かった。
各ステージの前に文字で長めのナレーションが入るのだが、それがプレイヤーの操作を待たない自動送りでスピードも速めで、読むのが追いつかなかったのである。
(ページ送りで待ってくれるタイプであれば分からない文章があってもその場でいくらでも調べればいいのだが、自動送りだとそれができない。そのため、地力がないと追いつけない)
それで「これはまだ自分には難しいな」と判断して封印して積みゲー送りにしたのだ。
それをふと思い出したのが、次に何を遊ぶか迷っていた先月のこと。
「もう大丈夫かな?」と起動して、遊んでみて、二年前には追いつけなかった自動文字送りのナレーションもほぼ問題なく追いつけることを確認。
晴れて、改めて遊んでみた次第である。
▼ ジャパニーズ漢字とイングリッシュ中国名
自分は日本生まれ日本育ちの日本人なので、基本的に英語は知らないことばかりである。日常的に英語の本を読めるぐらいには慣れたが、それでも知らないことはまだまだ転がっている。
その刺激が自分にはちょうどいい。楽しい。
で、今回遊んだ『三國無双7』だが、遊び始めてすぐ気がついたことが一つ。
「三国志の登場人物や地名、今まで漢字で覚えてたので英語表記になるとサッパリ分かんねえのが多いな!w」
一応、日本語での読みと近いものもある。例えば自分は三国志だとなんとなく呉をひいきしているのだが、孫権は Sun Quan でだいたい日本語読みのソンケンに近い。音としてはサンクァェンみたいな感じだが、発音が外国語っぽくなったなという程度で遠くはない。
ところが孫策になると Sun Ce になる。サンシー。策がサクではない。
ちなみに親父の孫堅は Sun Jian だ。日本語読みだと孫権と同じソンケンだが、Quan と Jian で明らかに音が違う。サンジェン。
そして呉の中で「え? そんな表記なん?w」となったのが陸遜。
英語だと Lu Xun 。最初、名字の Lu が自分の中で日本語側の「陸」とつながらなかった。ルゥ・(ク)サンみたいな感じで読んで「これ誰だ? ルゥって漢字は何だ?」と考えていたあと、「あ、ルゥクサン、リクソン、陸遜かw」となった。日本語読みだと「ク」は名字側の陸について「リク」なのだが、どういうわけか英語表記だとクの発音は「遜」のほうにつくようだ。
(まあ冷静に推測すれば、表音文字である英語の方が元の中国語に近い音を残しているのだろう。それを日本語の漢字の読み基準で考えてしまうほうが本来はお門違いなのだろうが、とはいえ自分としては長年使ってきた日本版の読み方イメージはそう抜けるものでもない)
それでもこのあたりのストーリーモードで分かりやすい役割のある人物は元の三国志の知識でだいたい推測がつくのだが、そこまで大きな役割がないキャラで、それがゲームのミッション達成条件などに含まれているとなかなかいい具合に混乱させてくれる。
特に、自分は日本語版の攻略wikiを適時確認しながら遊んでいたのだが、そこで秘蔵武器入手などのシークレット条件に人物名が絡んでいるとなかなか厄介だった。「えっと、ここで于禁を先に倒せって書いてるけど于禁ってどいつだ?w」みたいなことが頻繁に起こっていた。
ちなみに于禁は Yu Jin 。ユジンとしか読めないが日本語読みでのウキンと母音は同じなのでとりあえずまだ比較的推測しやすいほうではあった。
……だが「于禁は Yu Jinである」と覚えたところで安心するなかれ。
魏の人物一覧を見ると彼とは別に Yue Jin という名前も見える。e が一文字増えただけのこいつは誰か。確認したところ楽進だった。日本語読みだとガクシン。ウキンと全然違うやん。でも英語表記だとかなり類似。
とまあ、漢字表記でよく知っていたはずの三国志もそんな風に一筋縄では把握できない状態になる。だが自分はこういうのを解きほぐして理解していくのが好きなので、やたらめったら楽しかった。
▼ カオカオ曹操
他には、また違った形で「そうなんだー」と思ったのが曹操。
英語版では Cao Cao 。それは以前に別の場所で文字表記だけは見て知っていたのだが、表記的に「カオカオ」と読むのかと思っていた。だってカカオ豆のカカオが Cacao だし。
だが今回ゲームで遊んで台詞の中で音として呼ばれるのを聞くと、ツァオツァオに近い感じで、意外と日本語読みのソウソウに近い音だった。
(やや余談だが自分のように独学で活字を視覚から読むのばかりに慣れていて音が二の次になっている人間の場合、英語の c および ch はいろんな読みパターンがあっていつもどう読むのか迷うのよな♪
例えば nonchalant という単語とか、ノンカラントなのかノンチャラントなのかノンシャラントなのかしばらく分からず不安で無関心ではいられなかった)
他には、劉備と呂布。日本語読みだとリュウビとリョフで特に名前の類似があるような印象はないが、英語だと Liu Bei とLu Bu で実は音が近い。まあ混乱するほど近いわけでもなく普通に区別できるが、子音は同じになるのだなあと新鮮だった。
このあたりのことは、おそらく日常的に英語で中国文学や中国系の人と関わりのある人からみれば「何を今更」みたいな話で取り立てて面白くもないのかもしれない。
だが自分は全然知らない分野だったので、新鮮でとても興味深かった。
▼ おまけ感想
最後に、言語面とは関係ないゲーム面での感想メモ。
結論としては、とても面白かった。
なるほど、『無双』シリーズの中でも評価高めの作品である。慣れれば爽快だし、やりこみ要素のボリュームも膨大で満足感も高い。
ただ責めるほどでもないが難点を一つあげてみると、自分のようなそもそも無双シリーズにほぼ触れたことがない人間がいきなり『猛将伝』から入ると最初に何を目標にすれば分からずちょっと途方に暮れるなあwというのはあった。
無印の『7』から開始した場合は使用可能キャラクターに制限がかかっていてストーリーモードで解放されていく形らしいので、それがまず分かりやすい最初の小ゴールでありモチベーションになるのだと思う。だが『猛将伝』は良くも悪くも無印クリア済みが前提のパワーアップキットなので、キャラクターが最初から全解放されている。ストーリーモードをわざわざクリアする必要がない。
すると、「まず最初にこれを目指して達成すればカタルシスが大きい」という箇所がハッキリしない。武器収集は難易度一定以上が必要であり入手条件を調べながらの作業になるから最初の目標にするには遠いし、将星モードも作業感が強めでクリアのカタルシスは低め。総じてゲーム側からユーザーを引っ張っていく導線は実は強くはない。
とはいえそれはあくまで『with 猛将伝』から始めた場合の感想であるし、その代わりにボリューム自体は半端ない。
自分はひとまず呉と呂布のストーリーモードをクリアして最強武器を少し集めて将星モードで100連戦したところで満足して小休止しているが、気が向いたらまた起動して色々遊び尽くしてみたいと思っている。