![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145672338/rectangle_large_type_2_f7ba9e9330f50b0c258de3be122cc800.png?width=1200)
生成AI×Googleサービスで学校業務を簡単に!自動化で教師の負担を軽減する方法!
学校現場では、授業準備、行事の計画、書類作成、保護者とのコミュニケーションなど、膨大な業務を抱えています。
これらの業務を効率化し、教師の負担を軽減することで、よりよい授業を提供できる環境を整えるためには、最新の技術を活用することが重要です。
今回の記事では、生成AIとGoogleサービスを用いた学校業務の効率化や自動化について紹介します。
具体的な活用例を通じて、忙しすぎる現状の学校現場をどのように効率化していけばいいか、一緒に考えていきましょう!
(1)Googleサービスの活用方法
まずは、業務効率化の要となるGoogleのサービスとその活用方法について紹介します。
従来はMicrosoft Officeが教育現場で使用されており、現在も大半の資料はMicrosoft Officeで作成されていますが、GIGA端末の導入以降、Googleのサービスを使っている自治体が増えてきていると思います。
Googleのサービスの基本的な特徴と活用事例を確認しておきましょう。
① Googleドキュメント
Googleドキュメントは、Word的なサービスであり、オンラインで文書の作成・編集ができるツールです。複数のユーザーによる共同編集が可能で、リアルタイムで他の教師やスタッフと情報を共有することができます。
〈学級通信の作成と共有〉
学級通信は、保護者や生徒に向けた重要な情報発信手段です。Googleドキュメントを使えば、学級通信の作成と共有が簡単になります。
※Googleドキュメントによる学級通信作成については、別のnoteにまとめています
〈職員会議資料の作成と共有〉
職員会議の資料もGoogleドキュメントで効率的に作成・編集・共有できます。各教師が担当部分を記入し、各資料や文書へのリンクをGoogleドキュメントに集約することで、会議の準備がスムーズに進みます。
〈学年会資料の作成と編集〉
学年会の資料もGoogleドキュメントで効率的に作成・編集できます。
学年の各教師が担当部分を記入したり、作成した資料へのリンクを共有することで、会議の準備がスムーズに進みますし、会議中の変更をその場で反映することが可能になります。
② Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、Excel的な表計算ソフトで、データの集計や分析に非常に便利です。学校の業務改善の中心ともいえるソフトで、学校業務の様々な場面で活用できます。
〈学校の行事予定の管理〉
学校行事の予定をスプレッドシートで管理することで、全校のスケジュールを一目で把握できます。色分けやフィルター機能を使えば、重要な行事や変更点もすぐに確認できます。
〈時間数計算と時間割管理〉
授業時間数の計算や時間割の管理もスプレッドシートで行えます。関数を使って自動計算を設定し、変更があった場合も迅速に対応できます。
〈週案の作成と共有〉
週案は、授業計画を詳細に記載したものです。スプレッドシートを使って週案を作成し、他の教師と共有することで、チーム全体の授業準備が効率化されます。
スプレッドシート活用による、学校のスケジュール管理効率化については、以前のnoteでもまとめています。
〈その他のスプレッドシート活用例〉
noteで紹介している以外にも、
・子どもの意見集約 (振り返りや校外学習の疑問点整理など)
・欠席連絡の記録と共有
など、様々な場面で活用することが可能です。
③ GoogleChat
GoogleChatは、リアルタイムでコミュニケーションを取るためのツールです。
校内でバラバラの教室で活動することが多い教員にとって、迅速な情報共有に欠かせないツールです。
〈教師間の迅速なコミュニケーション〉
GoogleChatは添付ファイルや各種リンクを送ることが可能かつ、スマホ・タブレット・PCなどの端末を選ばず、状況に応じた方法でコミュニケーションをとることが可能です。
これまで紙に印刷したり、付箋に書いて共有していた内容を、迅速に共有することが可能になります。
〈必要な資料への素早いアクセス〉
GoogleChatには、優れた検索機能があります。キーワードを入力するだけで、関連する資料をすぐに見つけることができるため、紙の資料を管理する手間を削減しつつ、情報へのアクセス性を向上することが可能です。
④ Google ToDo
Google ToDoは、個別のタスク管理に便利なツールです。期限を設定して進捗を管理できます。
〈個別タスクの管理〉
各教師が担当するタスクをGoogle ToDoで管理することで、仕事の見通しが立ちやすくなります。期限設定やリマインダー機能を活用して、タスクを確実にこなすことができます。
〈グループでのタスク管理〉
GoogleChatのスペース内で、タスクを割り当てることも可能です。割り当てられたタスクは、各個人のGoogle ToDoにも表示されるため、仕事の期限を明確にしながら、仕事を効率的に行うために役立ちます。
⑤ Googleカレンダー
Googleカレンダーは、予定管理に最適なツールです。学校行事や予定を一元管理できます。
〈学校行事や予定の一元管理〉
行事予定や重要なイベントをGoogleカレンダーに登録することで、学校全体のスケジュールを把握できます。教師全員がアクセスできるため、予定の重複や確認ミスを防げます。
また、プライベート用のGoogleカレンダーと重ねて表示することで、プライベートの予定との重複も防ぐことができます。
〈カレンダーの公開〉
学校の予定が入力されたGoogleカレンダーを保護者や生徒に公開したり、
共有したりすることで、最新の行事予定を素早く知らせることができます。
年間の行事予定を入力するだけでなく、部活動ごとにClassroomを作成し、各クラスルームのカレンダーに部活動の予定を入力して共有するなど、多様な活用が可能です。
⑥ Googleフォーム
Googleフォームは、アンケートや意見集約に便利なツールです。簡単にアンケートフォームを作成して配布できます。
複数人で同時に情報を確認したり、編集したりしたいときはGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートを活用しますが、一方的に情報を集めたいときは、Googleフォームを活用すると便利です。
〈アンケートや意見集約の簡便化〉
生徒や保護者からのフィードバックを集める際にGoogleフォームを使用すれば、集計が自動化され、結果の分析が容易になります。
回答の内容によって質問をスキップしたり、特定の質問へ移るような設定も可能なので、紙のアンケート用紙よりも、解答ミスを減らすことができます。
回答は自動で集計され、グラフや表に整理してくれます。
自動で作成されたグラフや表では不十分な場合、スプレッドシートに回答を出力し、自分でグラフや表を作成することも可能です。
〈欠席連絡〉
朝の欠席連絡や健康観察をGoogleフォームで行うことも可能です。欠席連絡アプリの導入が難しい場合は、Googleフォームとスプレッドシートを活用することで、素早く欠席連絡を行うことができます。
〈生徒の理解度確認〉
授業後に理解度確認のためのクイズやアンケートを作成し、結果を即時に確認することができます。
⑦ Googleサイト
Googleサイトは、ウェブサイトを簡単に作成できるツールです。職員専用のサイトや、学級や学年の専用サイトを作成できます。
〈職員用のサイト〉
職員がよく使うサービスを集約したり、Googleの各種ファイルへのリンクを埋め込んでおけば、ICT活用に苦手意識のある先生もとりあえずココにアクセスすれば、必要な情報にアクセスできるという状況を作ることができます。
〈学級や学年の専用ウェブサイト作成〉
学級や学年の情報を集約したウェブサイトを作成することで、保護者や生徒も必要な情報にアクセスしやすくなります。
⑧ GoogleClassroom
GoogleClassroomは、授業管理と生徒とのやり取りを効率化するためのプラットフォームです。
〈授業の管理と生徒とのやり取りの効率化〉
課題の配布や提出、成績管理が簡単に行えます。また、生徒とのコミュニケーションもスムーズになります。
GoogleChatが双方向でコミュニケーションをとることができるツールである一方、GoogleClassroomは教師が多くの生徒に対して資料を送ったり、課題を示し、それに対して生徒が"コメント"できる程度となっています。
双方向性はChatに劣りますが、一斉に課題に取り組ませる際などには威力を発揮します。
〈Classroom作成によるカレンダー・ドライブ作成〉
Classroomを作成すると、Classroomに入っている教員・生徒のみが見えるGoogleカレンダーが作成可能になります。また、Classroomフォルダも作成され、権限もClassroomに参加している教員のみとなります。
カレンダーやドライブを複数の教員で共有したい際には、Classroomをつくってそれに付属するカレンダーやドライブを活用することもできます。
ここまでは、Googleの各種サービスを紹介してきました。サービス単体でも便利なのですが、次に紹介するGASによる自動化を行うことで、大幅な業務効率化を果たすことができます。
(2)GASによる繰り返し作業の自動化
Google Apps Script (GAS) を使えば、Google関係の作業を効率化できます。
特に、毎月・毎週・毎日繰り返し行う作業を自動化することができるため、毎日の業務を大幅に効率化できます。
ここでは、GoogleのサービスとGASを使った、業務効率化のアイディアを紹介します。
基本的な考え方としては、各ファイルやサービスで処理した内容やエラーをGoogleChatやGoogleClassroomで関係する職員や生徒に共有するという流れになります。
① 毎日の業務自動化
〈朝の打ち合わせ資料共有〉
GIGA端末の導入によって、朝の打ち合わせを行っている学校は減少していると思いますが、学校によっては朝の打ち合わせを行っていたり、打ち合わせ用の資料を用意している学校もあると思います。
学年主任が学年職員用に確認事項や連絡をまとめた資料を作成している場合もあるかもしれません。
これらの資料作成や共有をGASによって効率化することが可能です。
打ち合わせ資料をGoogleドキュメントで作成し、関係する職員には編集権限を与えたうえで、指定の時間までに必要なファイルやリンクを貼り付けていきます。
指定した時間になったら、GASによってGoogleドキュメントを(場合によってはPDF化し)指定のChatに投稿させ、関係する職員に通知させることで、確認ミスを減少させます。
Chatへの投稿後は、翌日の打ち合わせ用にGoogleドキュメントのコピーを同じフォルダ内に作成し、ファイル名を翌日の日づけに変更したうえで保存しておくこともできます。
これにより、関係する職員のChatに通知が届くため、朝の情報伝達や共通理解の確認ミスを防ぐことができますし、毎日の共有や投稿の手間を削減することができます。
〈その他〉
朝の体調管理や、心の状態アンケートをGoogleフォームで行っている場合は、毎朝子ども向けに投稿することができます。
また、設定によっては未提出者に提出を促す定型文を送ることも可能です。
こういった日々の繰り返し業務を自動的にできるようにすると、授業以外の雑務を短縮することが可能になります。
② 毎週の業務自動化
〈週予定の共有〉
学校によっては、週予定を紙やPDFで配付しているのではないかと思いますが、これも自動化できます。
先ほど紹介したこちらの記事のように、週予定と月予定と年間計画が連携したスプレッドシートを作っておけば、「指定の曜日になったら、翌週の予定をPDF出力して職員のChatに投稿する」という動作を行うことも可能です。
これにより、教務主任は週予定を更新しておくだけでよく、PDF化したりChatに投稿したりする手間を削減できます。
③ 毎月の業務自動化
〈月末の提出物を連絡〉
出席簿など、毎月末に提出する必要があるものを、Chatによって職員に連絡することも可能です。
スプレッドシートで投稿日と投稿内容を設定しておけば、その内容に応じて職員のChatに自動投稿できます。
このようにGASを使って繰り返し動作を設定しておくことで、毎日・毎週・毎月の業務を自動化して、他の業務を行うための時間を捻出することができます。
ここまで読まれた方の中には、GASのコードが書けないと感じている方もいるかもしれませんが、現在は生成AIの支援を受けることができます。
GASのコード生成も含めて、教育現場で生成AIを活用して業務を効率化する方法について、簡単にまとめておきます。
(3)生成AIの活用
① 生成AIの進化ポイント
近年一気に進化している生成AIですが、教育現場に関係しそうな進化ポイントは以下の通りです。
・回答の迅速化
・効率的な検索機能
・ファイルアップロードと共有
・OCR機能による書類のデジタル化
これらの進化により、以前よりもかなりテンポよく生成AIとのやり取りができるようになってきています。
また、様々なファイルをアップロードし、AIに回答させることも可能になってきています。
※個人情報を含む内容のアップロードは避けた方がよい
生成AIを使えば、GASやVBAのコードを書かせることも、学級通信の文章を添削させることも可能です。うまく活用することで、学校現場の業務効率を向上することができます。
② 生成AIの具体的活用例
では最後に、生成AIの具体的な活用方法について紹介します。
・関数やGAS、VBAの作成支援
・子どもの質問リストの整理 (音声入力対応)
・Canvaを用いたビジュアル資料の作成
・簡単なテスト問題の作成
・出張資料のPDF要約
・手紙や日記の例文作成
・学級通信の添削と校正
・ポルトガル語など多言語への翻訳
生成AIの活用で、特に効果が大きいのはGASやVBAのコードを生成させることだと思います。
これまで、GASやVBAなどのコードを書くという作業は、ICT活用が得意な教員のみが行えるものでしたが、生成AIに適切な指示を出しながらコードを書かせることで、一般の教員でも活用できる環境が整ってきています。
自分もGASに詳しいわけではないですが、生成AIを使ってコードを書かせることで、いくつかの業務を自動化することに成功しています。
他に紹介した機能も、学校では便利に使えるものが多いと思いますので、まだ使ったことがないという方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
使いこなすことで、グッと働き方が効率的にできると思います。
コード生成については、後日記事を公開予定です。気になる方はフォローお願いします。
また、AIによるイラスト生成についても公開予定です。
(4)まとめ
今回は、Googleの各種サービスと生成AIを活用して業務を効率化する方法を記事にしてきましたがいかがだったでしょうか。
生成AIとGoogleサービスの統合による学校業務の最適化は、教師の負担を大幅に軽減し、教育現場の効率化に寄与すると考えます。
これにより、教師はより多くの時間を生徒とのコミュニケーションや授業準備に充てることができ、教育の質が向上します。
今後も技術の進化とともに、新たなツールや機能が追加されることが期待されます。教師の皆さんも、これらのツールを活用して、より良い教育環境を築いていきましょう。
今回の記事が、みなさんの参考になれば幸いです。
【最近のおすすめ記事】
【その他マガジンの紹介】
今後も学校の業務効率化やICT活用について記事にしていく予定ですので、関心のある方はマガジンのフォローをお願いします。
また、育児休業や学校の先生が生活で考えたこと、旅行の記録についても記事にまとめています。そちらも興味があればぜひご覧ください。
改めて、最後までご覧いただきありがとうございます。
記事が気に入っていただけたらスキお願いします!
感想や質問があれば、コメントいただけると嬉しいです。