「体は楽器」。プロアナウンサーから学ぶ笑顔の発声術
※2023年9月9日に配信されたトークライブ「くらしとしごと」をもとに構成されたコンテンツです。
トークライブ「くらしとしごと」とは
世界にはひとの数だけ、「くらし」(ライフ)と「しごと」(ワーク) の形がある。そのひとつひとつにスポットライトを当て、生き方のヒントを探るインタビュー企画。
兵庫県のまんなか、神河町に拠点を置くOFFICE KAJIYANOが企画。2018年にスタートし、コロナ禍を経て2023年からは月1ペースでインスタライブにて発信中! @office_kajiyano
#20トークゲスト:山村雅代さん @egaotunagi
フリーアナウンサー/笑顔仕掛人
声と表情は、天然のメイク。
「話を引き出すのが上手ですね」と言われることはあっても「声が聴き取りやすい」「笑顔が素敵」と言われることはない。
営業系の「話す仕事」なので、声も表情も本来大切な要素。
と思ってはいるけれど、自分はこれがキャラクターなのか。。。
と諦めていたそんなとき!
あるアナウンサーさんとの出会いを通して、ジムに通い筋肉をつけるように声や表情もトレーニング次第で変えることができるということを知り、光が差し込んだ。
恩師といえるその人は、フリーアナウンサーの山村雅代さん。
三重県出身、ラジオの局アナを経て独立後は関西を拠点に活躍されている。現在は大学講師も務め、ICT系大学院の客員研究員として、兵庫県の人口約1万人のまち「神河町」でインターネットラジオPJを展開中。過疎地をモデルとして、人口減少などの社会課題の解決をめざす実験的な取り組みだ。
「地域のひとが地域の魅力を見つけて発信することで、その地域を好きな人、ファンを増やす」
好循環が起こることをめざし、今夏より本格的にワークショップが始まったところだ。
体は楽器。
文章は推敲できる。だけど、「発声」やボディランゲージは一発勝負。同じ「ことば」を扱いながらも、生かし方のアプローチはまったく異なる。
音楽でいえば、作曲とライブの違いだろうか。
そう思うと、人同士の会話は、「ライブ」そのもの。瞬時にたくさんの情報が行き交う、高度でインタラクティブなやりとりなのだ。
では、どうすれば「良い声」「良い表情」の魅力的な演者になれるのか。
雅代さんの答えは「母音」。
指2本が縦に入るぐらいに「a」
口角を上げて「i」
唇をしっかり突き出して「u」
口角を上げた「i」から横に開く感覚で「e」
口の中に握り拳の空間を意識して「o」
これらを意識して、北原白秋の「あめんぼ赤いなあいうえお」から始まる詩を読み上げる。現場入りの前は特に念入りに実践、局時代から変わらぬ日課なのだそうだ。
なお、発声練習にあたっては割り箸を使うのも効果的。
ダンベルで負荷をかけて筋トレするように、割り箸の先や中心をかるく噛んで1音ずつ順番に発声する。
ダンベル=割り箸を外すと、、
あら不思議。表情筋が「軽く」なっている!!(「i」って言いやすい)
効果が実感できるのでおすすめ。
▼ご本人から、+αご指導!
美しい日本語にふれるということ
雅代さんは、三重の「呉服屋の娘」。
幼少期の忘れられないエピソードは、店じまいも済んだある晩の、お祖母様の顧客応対。
大柄なその女性に対して、
「〇〇さんのように、ふくよかなかたには・・・」
この言い替えというのか「ことば選び」に、いたく感銘を受けたのだそう。
また、店内に置いてあった反物の色見本も、少女にとって身近な存在。グラデーションをなす色彩の美しさ、そしてなにより「うぐいすいろ」など繊細でゆたかな和色のネーミングにも惹かれたのだという。
幼少期の雅代さんを取り巻く美しい日本語が、その後の人生を形成したのだろう、と想像しながらちょっと羨ましい気持ちになってしまうのはぼくだけだろうか。
まとめ
「現地の〇〇からは以上です」
世界の各地から中継する姿に憧れ、アナウンサーとしてデビュー。
独立後は、フリーアナウンサー&ことばで笑顔を生み出す「笑顔仕掛人」へ。
名刺を受け取ったときは「不思議な肩書きだなぁ」と思ったけれど、気づけばすっかり"仕掛け "にはまってしまった一人。
「笑顔」には、タネも仕掛けもある。
密かに悩んできた自分だからこそ、同じように困っている人に伝えていけたらと思う。
(雅代さん、企業向けの研修やりませんか?)
Information
山村 雅代(やまむら まさよ)
Instagram📷
@egaotunagi
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