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「くらしとしごとを、もっとたのしく。」に行き着いた理由
会社をあらわす「ことば」を探す。
2019年秋。心機一転、会社を作ることにした。
広告代理店出身で、県内の中小企業をクライアントに広告制作を手掛けてきた僕と、元セラピストで農業や加工品づくり、庭づくりがライフワークの妻。
共同で、2016年からコワーキングスペースの運営も。(現在は休止。予約制で再開準備中)
結婚初期からそれぞれフリーランスとして事業を営んできたけれど、会計上の都合もあり、お互いの経験や事業領域を内包した「傘」をつくりたいと思ったのがきっかけだった。
どんなに小さな会社であっても、社会における存在意義をしめす理念やビジョンを持っていると強い。これはクライアントの皆さんから教わったこと。
わたしたちのビジョン(実現したい未来)は、「一人ひとりが自分らしく働き、豊かに持続的に暮らせる社会」
では、コーポレートスローガンは?
これがなかなか難しい。自分たちの「らしさ」を言語化する長い旅が始まった。(ちょっと大げさだけど)
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"具体的"がベストとは限らない。
個人事業時代は「地域の企業を、未来へつなぐ。」というミッションを掲げていた。おそらく今後もぶれることはない。
はず。
ただし、これからウニョウニョと産まれ出てくる新たな生命体は、今見えているものを超えて、多面的なハブのようなものになる予感があった。
具体的であればあるほど、説得力が生まれる。
具体的であればあるほど、可能性を狭めてしまう。
そんなパラドックス。
若くて勢いのある会社を参考にしようと思い、当時のマザーズ市場のスタートアップ企業の成長可能性資料に目を通したり、英語にしてみようかと思って海外の事例も見てみたり。
「なんか違う」は正しい。
そんな過程で、かっこいい案は、いくつもできた。
だけど、自分たちの身の丈に合っていなかったり、優位性を保てない土俵に立ってしまうものになったりして、とにかく決まらない。
「もう一度、中身から考えよう」
振り出しに戻って、キーワードを探すことにした。
よく言われることだけど、会社が人生のすべて、という時代ではない。会社と、働く人の幸せな関係づくりこそがこれからのテーマになっていくはず。
充実した仕事が、良い生活をうながす。
豊かな暮らしがあってこそ、良い仕事が生まれる。
そんなサイクルこそが、これから求められていくのではないか。
紆余曲折を経て現在に至るわたしたち夫婦の実践と経験は、その2つの領域に何かしら関わり、寄り添い、新鮮な気づきやアイデアをもたらす力の源泉となりえるかもしれない。
一人ひとりの「くらし」と「しごと」を、一歩前に進めること。ちょっと面白くすること。
基本はいわゆるBtoBの会社ではあるけど、社長さんや役員さん、マネージャー店長、社員さん、協力会社さん。「一人ひとりに人生がある」ということを意識した仕事をしていこう。
そんな風に考えが固まってきて、ようやく、自分たちならではの、借り物でない想いやことばが重なってきた。
「くらしとしごとを、もっとたのしく。」
拍子ぬけしてしまいそうな、ひらがなのつらなり。だけど、何回何十回と見返して、これならブレない軸になりそうだと思えた。
クライアントに向けて。自分たちに向けて。
あまり語る機会も場所もなかったけど、OFFICE KAJIYANOはそんな思いで生まれたし、関わってくれるスタッフ達には着実に浸透していっていることも感じている。
明るいほう。前向きなほう。良くなるほう。
ぼくたちは基本的にそちらしか見ない。そうでないと、価値を生まない(対価を得るべき仕事にならない)と考えているからだ。
個人事業時代から経験してきているけれど、ある意味で素直に実践しようとすると、何かを「守りたい」というある種の宗教心や強い思いを持った人にとっては、居心地の良い場所を揺さぶり、脅かす「敵」ともなりえる。攻撃の対象にもなる。
それでも。妙にポジティブな集団として、空気を読みすぎずやっていきたいと思っているし、理念に共感してくれる仲間と出会いたいと願っている。
普遍的で、しなやかで、強く。
「くらしとしごとを、もっとたのしく。」
素朴に、しずかに問いかけるようでもある、このスローガン。それは、ときに自分たち自身へのメッセージともなり、前を向くための旗印にもなっている。
初心を忘れず。ご縁あって出会い、必要としてくれる人や企業に対して、前に進むためのサポートにベストを尽くすこと。その先に、今より少しでも澄んだ景色が広がっていたらいいなと思う。
株式会社OFFICE KAJIYANO(オフィスカジヤノ)
代表 山口貴士
https://office-kajiyano.jp/
https://www.instagram.com/office_kajiyano/