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【凸凹と歩む】イメージが邪魔をする?
「絶対、逆じゃって!」
次男がまた文句を言っています。何度目だよ~。
そうは言ってもさぁ、もうそれは仕方のないことなんだから、納得して前に進もうよ~(汗)。
次男は自閉スペクトラム症(ASD)。
とことん得意なことと、とことん苦手なことがある、凸凹の激しい子です。
次男が徐々に語ってくれるようになった凸凹の世界について、そばで見ている親の立場からお伝えしていきたいと思っています。
双と単のイメージ
中学の理科で、双子葉類と単子葉類の違いを学んでいた次男がぷりぷり怒っています。どうしたどうした?
次男「これ、双子葉類と単子葉類って、逆じゃろ?!」
私「なんでよ?双葉があるのが双子葉類で、まっすぐな葉っぱが1枚出てくるのが単子葉類じゃろ?」
次男「単子葉類のほうが『双』っぽくて、双子葉類のほうが『単』っぽいじゃろ?!」
私「??????」
ちなみに、サクッとおさらいをしておくと、
単子葉類は子葉が1枚で、葉が並行脈。イネとかトウモロコシとか。
双子葉類は子葉が2枚で、葉が網状脈。アサガオとかヒマワリとか。
何を言っているのか全くわからなかったので詳しく聞いてみると、どうやらこういうことらしい。
どうやら彼は、ひたすら葉っぱの形と漢字のイメージとに注目していたようです。
え、見てるの、そこ?!
なるほど、言われてみたら、確かに似ていなくも、ない。うん、逆、というのも、わからんでも、ない。
けれども、そもそも単子葉類と双子葉類とは、子葉の枚数で分類してある訳でしてですね、単は1枚、双は2枚の葉っぱを表しているのであって、決して葉の形を表しているわけでは……。
っておい、聞いちゃいねーな。
木を見て森を見ず?
木を見て森を見ず、とはよく言ったもので、1つのことが気になるとそれしか見えなくなるのが彼の特性のひとつです。
「じゃけえ、これは、逆なんじゃって!」
何度目かの怒りを発していますが、そうはいっても今更君のイメージに合わせて単子葉類と双子葉類の名前を交換したら、世の中が混乱するやんか。
「逆ってことはわかっとるんよ。わかっとっても、文字で『単』子葉類って書かれたら、網状脈のほうを思い浮かべてしまうんよ。自分のイメージと逆ってことにすぐ気づけんけえ、間違えるんよ」
はぁ~。わかってたつもりだけど厄介だねえ、君の特性は。
イメージが先行して、理解を邪魔している。単子葉類と双子葉類ぐらいのことなら、生きてくうえでそんなに実害はないけれども、もしかしたら、毎日本当に些細なことだったり、本当に大切なことに対しても、こんなイメージの混乱と戦っているのかも。
当事者は毎日困っている
当事者はこんな混乱の中で暮らしているのだと、ようやく知りました。
そりゃ、毎日疲れるよねぇ。
睡眠時間がたくさん必要なのも、学校生活が苦手なのも、なるほどそういうことかと、少しずつ分かってきました。
とはいえ、将来は自立して過ごしてもらわなければなりません。
少しずつ、いろいろなことに折り合いをつけていこうね。