家を建てる、注文住宅を新築する場合やリフォーム・リノベーションに考えておきたい暮らしの趣と生活習慣、家事動線の良い間取りという表現が持つ特異性と優位性の設計デザインを。
家を新築する場合やリフォームを行う際に
考えておきたい
家事動線の良い間取り。
家事動線が良い間取りとは
具体的にどんな間取りだと思いますか?。
「家事動線」と一口にいっても実は中身はいろいろあります。
ご家族の暮らし方や
過ごしている日常によって
常識が異なる事と同じく
何がどうだと家事動線がよいのか?。
そのうえで
平均的な話しとして工夫すべきポイントを。
家事動線のポイント。
家事動線を良くするためには
さらに多くの動線を
考えていく必要があります。
洗濯動線
調理動線
かたづけ動線
掃除動線
ゴミ出し動線
それぞれに
気をつける点がありますので順番に。
洗濯動線は
一番工程が多く
移動も長くなる事の多い家事動線です。
洗濯動線が家事動線の
大半を占めるといっても
言い過ぎではありません。
家事を普段からされている方なら
分かると思います。
脱ぐ→洗う→干す→仕分ける→しまう
これをいかにつなげるのか?
干す(乾かす)場所をどこにするのか。
これが最大のポイントです。
洗うと干すが同じ部屋=ランドリールームが
おすすめではあります。
乾燥機や乾太くんで乾かすので
ほぼ干さない場合
乾太くんと洗濯機と
仕分け場所の横並びがおすすめです。
移動距離が少ないまま
洗う→乾かす→仕分けるまでが可能にあります。
ただ、
乾燥機が使えない衣類もあるので
干す場所も計画には忘れない事が重要です。
どのような設計者が担当するのかによっても
家事だけではなくて
家全般の暮らしの質は随分変わると思います。
室内干しの場合
洗濯機のある脱衣室に干す
という場合も
移動が少なくて便利です。
その部屋で干して乾くのか
どうかの検討をお忘れなく。
高気密高断熱住宅なら
かなり乾きます。
そういう意味での
設備を充実させておくことも
考え方のポイントです。
外に干す場合。
一番移動が多くなるのが
このパターンです。
やっぱり洗濯物は
外に干したい
晴れてる日は外に干したい
そういう方も
いらっしゃいますよね。
特に2階バルコニーやベランダに
干す場合は
どうしても遠くなります。
せめて、
洗濯機から階段の距離、
階段からバルコニーや
ベランダまでの距離をスムーズに。
又は移動が便利で危険性の無いように。
乾いた洗濯ものを
仕分ける→しまう場所も重要です。
それを簡単にするのが
ファミリークローゼットです。
ランドリールームの横に
ファミリークローゼットがあれば
断然家事動線も楽になります。
ただし、
ファミリークローゼットには
注意することが沢山あります。
安易に採用すると
狭くてかえって片付かない
着替える場所がないなどの
後悔が生まれる事もあります。
便利そうだからという観点ではなくて
自分達の暮らしに沿っているのかどうかを
確認する事が重要。
調理動線
キッチン内の動きだけではありません。
買い物から帰って
食材をしまう→食器のあとかたづけまで
を調理動線と考えます。
車から降りて
玄関を通ってキッチンまでの
距離が遠いと
重い買い物袋を提げての
移動が大変です。
たまに使う調理器具や
食器が取出しにくい、
しまいにくいと結局使わなくなります。
行ったり来たり
することが多い調理中の動きは
パントリーの位置が重要です。
キッチンから振り向いたらすぐ、
キッチンから横にすぐ「近い」
というのがポイントです。
調理中の楽さは全然違います。
食材のダンボール買いが多いという場合は
玄関→土間収納→キッチンという
間取りの関係性があると
比較的効率的で便利です。
かたづけ動線
使ったものをすぐに片付ける事が
できるかどうかです。
特にリビング・ダイニング について。
リビングソファに
出しっぱなしになっているもの
ダイニングテーブルに
出しっぱなしになっているもの
ありませんか?。
しまうことが面倒になると
部屋は散らかった状態になります。
ポイントは
収納場所は使う場所の
すぐそば・・・かつ、
しまいやすい事です。
引き出しや扉を開けたら
どこに何があるのかすぐわかる量に
とどめることも大事です。
物が散乱しているなんて事に
ならないようにしたいですよね。
掃除動線
掃除は掃除ロボットだけではありません。
こぼしたものを拭くもの
すき間を掃除するもの
高いところのホコリ取るもの
換気フィルター掃除
庭や玄関まわりの掃除
やろうと思った時に
すぐ出来るようにわかりやすいところに
わかりやすくしまってあることが
ポイントです。
そうじゃないと
掃除しなくなっていきますから。
ゴミ出し動線
分別ゴミ置き場から
ゴミ収集場所までの動きが
ポイントになります。
家の外に出すまでのルート が
できるだけ短いほうが良いですよね。
ニオイも気にしたいところです。
キッチン内に
分別ゴミ置き場がある間取りが
多いですが
キッチンからリビングを横切って
廊下に出て玄関、
となると万が一ゴミ袋から水分がこぼれたりしたら
大変ですよね。
玄関からキッチンが遠いと
ゴミ出し動線が長くなりがちです。
朝出勤時に「ゴミ出し」と
バタバタと奥にあるキッチンに
戻るということが起きます。
調理動線でも
玄関からキッチンが遠いと
不便なので
キッチンの位置は
玄関から遠くないほうが
家事動線全体の短縮につながります。
勝手口をつくる
間取りはかなり減りましたが
ゴミ出し動線を考えると
勝手口があると
良いケースとなる間取りもあります。
楽な家事動線にするコツ
動線をコンパクトにするためには
2つのコツがあります。
それぞれの家事のための収納場所
かたづけ動線でも書きましたが
使う場所≒しまう場所です。
納戸をつくって
そこに何でもいれるという人がいますが
あまりおススメしません。
よほど収納上手な人
片づけ上級者なら良いですが
納戸は押し込むだけの場所に
なる事も多いと思いますよ。
収納スペースの扱いにも向き不向きがあります。
適応をデザインする事も
僕の大切な設計と提案の仕事ですから。
ゴミ袋はゴミ置き場に
収納食材はキッチンすぐ横の
パントリー
拭き掃除の雑巾は
水を使う洗面の収納
ダイニングで使うことが多い文房具は
ダイニング横の収納
ソファやラグマットを掃除する
コロコロはリビングの収納
大きすぎる収納1ヵ所よりも
使う場所ごとに適量の収納が便利です。
勿論整理整頓や
分別が得意な場合はそれにあわせて
間取りを調整して
考える方が良いかと思います。
取出しにくいから
高いところに
収納をつくらないという人は多いですが
奥行の深い収納も使いにくいです。
動線を短くするには
わざわざ行かないといけないところに
収納しないということも
ポイントです。
直線的でスムーズな移動。
家事動線をラクにする間取りというと
移動距離を短くすれば
それでよいと思う人が多いです。
もちろん距離も大事ですが
家での「距離」って実際どうでしょうか?
距離も大事ですが
直線的かどうか、
どれだけアクションが少ないかを
考慮できていますか?。
移動部分の曲がりを無くす
回り込みを無くす
ドアの開閉を少なくという事がポイントです。
家事動線の良い間取り。
それぞれのご家庭で
家事のやり方や暮らし方があります。
友人や親が「良い」といった事が
あなたにとって「良い」とは限りません。
あなたが、
何を気にするか、
何は気にならないのか、
それを自分で把握することが
先ずは大切です。
Instagramやピンタレスト
SNSで情報収集だけではなく
客観的に見る、
自分自身を分析するという見方も必要です。
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