和モダンの家造り提案、和の粋を取り入れて暮らしにモダンな空間を味わう過ごし方のデザイン設計、間取りにも空間にも暮らしのも和の趣をモダンに味わう心地良さの設計提案。 3 建築家 山口哲央 2024年6月14日 15:31 和モダンの家和の粋を取り入れる家づくりの外観・内観と暮らしの風情を四季折々から愉しむように。 外構門屋に和モダンをイメージしたステンドグラスのデザイン提案 和モダンの佇まいを持つ日本美の数寄屋を意識した住まい 和モダンの家には「和風の家」とも「洋風の家」とも異なる魅力が存在しています。 古来より日本人が大切にしてきた伝統と知恵を活かしながら、現代人の暮らしに寄りそう住宅デザインです。 和モダンの家の魅力や特徴を住まい造りに考えてみませんか。 和モダン・和風の家とは? 「和モダンの家」とは伝統的な和の家と、現代的でモダンな家を融合させた住宅デザインのことです。 温かみのある雰囲気が人気の「ナチュラルデザイン」、自然を生活の一部に取り込む「バイオリフィックデザイン」とともに、よく見られます。 和モダンの家と比較されやすい「和風の家」とは。 内外装のデザインや建築資材、設備の様式が和風である家です。 外観は瓦屋根や白壁、内装に畳を敷いた和室をかまえるのが特徴で、「純和風住宅」とも言われます。 その和風住宅の「慣れ親しんだ安心感」と現代的で「無駄のないデザイン」が、和モダン住宅の人気の理由です。 畳に座り目線を低く暮らしてきた日本人に馴染みやすいデザインと、シンプルかつ機能的なモダンデザインが融合した、私たちの暮らしに寄りそう住宅デザインと言えます。 洋風の家との違いは?。 和モダンの家と洋風の家は装飾や色づかい、間取りなど多くの異なる点があります。 和モダンの家が「趣」や「伝統美」を大切にした装飾や色づかいが特徴ですが、洋風の家は、ヨーロッパ風のデザインやアメリカらしいポップな色づかいが特徴です。 床はすべてフローリングで部屋の仕切りは控えめ、吹き抜けや高い天井から空間の広がりを感じます。 また和モダン・和風の家と洋風の家では、建築工法にも違いがあります。 一般的な洋風の家の工法は「木造枠組壁工法」が多く用いられています。 木造枠組壁工法とは壁や床などの「面」を組み立てて支える工法で、職人の腕に左右されにくいメリットがあります。 それに対して和モダン・和風の家の工法は「木造軸組工法」が一般的です。 木造軸組工法とは柱や梁に補強材となる筋交いを入れた「線」を組み立てて構造を作る工法で、間取りやデザインの自由度が高いといったメリットあります。 実際に枠組み工法の家でリフォームをしようとしても間取りの変更がなかなかできないというご相談を受けたこともあります。 少し話がそれましたが和モダンな家の魅力・特徴とは?。 和モダンの家には、日本の気候や暮らしに寄りそう魅力がたくさんあります。 日本の四季に適している和モダンな家の魅力のひとつは、四季折々の変化を見せる日本の気候に適していることです。 特に日本の夏は高温多湿のため、室内の湿度管理が大切です。 屋根の庇などの役目もそうですが和モダンの家に使われる建築資材は、主に木材です。 山から切り出した木そのものの無垢材には調湿効果があり、湿気の吸収と放出を繰り返し、室内の湿度を調節してくれます。 壁材に使われる土壁や珪藻土にも高い調湿効果があり、通気性も抜群です。 これらの素材が夏のジメジメとした不快感を緩和し快適な空間にしてくれます。 魅力素材感・デザイン素材感やデザインも、和モダンな家の魅力のひとつです。 和モダンの家には、外観のアクセントとして木部を効果的に取り入れたデザインがよく見られます。 例えば一部の壁、柱や扉、玄関まわりなど。 木部の部分使いでぐっと趣のある、和モダンな住宅デザインになります。 また、家の大部分を占める外壁の色や素材感も、和モダンを演出する大切な要素のひとつです。 ベージュやホワイトといった比較的明るい色の外壁が主流ですが、黒っぽい外壁にするとシックで落ち着きのある和の雰囲気が演出できます。 外観に合わせて表札も陶板やタイルを用いたデザインを選ぶと、全体の雰囲気が落ち着いて見えます。 木の質感や木目を活かしたデザインは、和モダンの家の内装にも活用できます。 例えば、柱や梁など構造があえて見えるように仕上げる「現し」は、和を基調とした内装ならではのデザインです。 また庭とつながるように縁側を設置したり、床の間や畳と組み合わせることで、落ち着きある空間を演出する事が出来ます。 内装の魅力。和とモダンデザインが融合した和モダンの家は、幅広い内装デザインを楽しめるのも魅力です。 例えば天井の貼り方にも「折上天井(おりあげてんじょう)」「網代天井(あじろてんじょう)」「船底天井(ふなぞこてんじょう)」「竿縁天井(さおぶちてんじょう)」「底目天井(そこめてんじょう)」など様々な種類があり、趣が異なるため要素を組み合わせる事も空間構成には異なる魅力が生まれます。 また落ち着いた色の壁紙が似合うのも和モダンな家の特徴です。 例えば紺色や緑、茶色など昔ながらの和風住宅に見られるような深みのある色や和柄のアクセントを取り入れるのもおすすめです。 和の素材をポイントに取り入れると絶妙な和モダンスタイルを演出する事もできます。 柔らかい光を演出できる障子や和紙を使った照明器具を取り入れるだけでも、魅力的な和の空間に仕上がります。 外部との関わり方。 和モダンの家は中庭をつくったり、庭に向かって開口部を大きく設けることで、自宅に居ながら外とのつながりを楽しむことができます。 中庭は家のどこからでも見ることができるため、ふとした時に季節の移ろいに気づいたり、開口部から濡れ縁やウッドデッキに出て外との一体感を楽しみながら暮らすことができます。 庭の魅力。 庭と家のまとまりを感じやすいのも、和モダンな家の魅力です。 例えば白砂利や景石を並べたり「タマリュウ」「ギボウシ」など和の風合いが感じられる草花や木々を植えることで、日々の暮らしの中で美しい自然や季節の移り変わりを感じることができます。 庭に憧れはあるけどプライベートな空間は確保したいといった場合には「中庭」を取り入れるのがおすすめです。 とくに近隣住宅との距離が近い土地では、開放的な庭よりも中庭がマッチします。 間取り構成にもよりますが家の間取りの真ん中に設置すれば、家のどこからでも緑や庭を楽しめて採光の恩恵も生まれます。 カタチによっては陰翳を愉しむ空間にも変化します。 浴室や寝室の窓越しに見える坪庭なら、毎日のリラックスタイムがより特別な時間になります。 和モダンな家づくりをする際にせっかく建てるならセンスのよい和モダンデザインの家にしたいですよね。 外観は屋根の形によって大きく印象が変わります。 屋根のカタチにはいくつもの種類があり、代表的なもので切妻屋根・寄棟屋根入母屋屋根・片流れ屋根陸屋根・差しかけ屋根などがあります。 その中で和モダンな家に合う屋根の形として切妻屋根・寄棟屋根・片流れ屋根があります。 切妻屋根は多くの木造住宅で古くから取り入れられている最も一般的な形状です。 妻側(家の短い辺)が三角形に見える屋根です。 シンプルで比較的どのようなデザインにも可変性を持つ形状です。 大屋根。切妻屋根の種類の中に、桁側(家の長い辺)に三角形が見えるよう屋根をかけた大屋根と呼ばれる形がありますが、こちらもどっしりと地に足をつけたような印象で和モダンデザインによく合います。 寄棟屋根は家の四方に向かって傾斜が流れる屋根が特徴で、安定感があります。 建物の高さが抑えやすいため、落ち着いた和モダンの外観となります。 片流れ屋根は片側に流れる一枚の屋根で構成されます。 スタイリッシュな形状ですが、外部に使う素材やカラーにより和の趣ある外観にする事も出来き、モダンな形状と和風のデザインを掛け合わせた和モダンが素敵な外観となります。 屋根材にも様々なものがありますが、昔から日本の家屋に使われてきたものとして瓦があります。 瓦は粘土を高温で焼いた素材です。 表面に釉薬を塗るものといぶして濃い灰色とするものがあり、色や表情が異なります。 瓦の一番の特徴はその独特な形状と質感です。波打つような形状とずっしりとして重厚感のある質感は日本家屋との相性が抜群で、和の落ち着いた印象を持たせることができます。 近年では地震対策として軽い屋根の採用で金属系の屋根が主流となりつつありますが、キチンと構造面を考えたうえで他にないデザイン性と他の屋根材よりも耐用年数が圧倒的に長く、メンテナンスが比較的楽という点で根強い人気があります。 断熱性・防音性も高いため、居住性を考えた時にも優れた素材と言えます。 木の素材や落ち着いたカラーを選ぶ。 昔から現代に至るまで日本の家はそのほとんどが木造です。 森林資源が豊富で、地震が多く、高温多湿な夏となる日本では木造の家が最適だからと言われています。 古くから使われ馴染みのある木を外部に使うと自然と和の風合いが香る外観にすることができます。 例えば玄関周りや道路からよく見える外壁の一部分、戸袋や窓枠、柱、ルーバーなどに木部を用いると木の素材感を活かしたアクセントとなり素敵に仕上がります。 全面を板張りにするとメンテナンスで塗装をする際に大変ですが、部分的な使用であれば問題ありません。 また外観を左右するカラーは和名のついた伝統色を選ぶと落ち着いた和のデザインとすることができます。 芥子色・藍色亜麻色など原色とは異なりくすみがかったり淡かったりと、草花や山々、空など自然の中に見られる色が良いかと思います。 家の中と外、また木部との調和の取れた和モダンの外観になります。 和の建具を取り入れる。建具のデザインも外観を左右するポイントの一つです。 中でも玄関扉は外観でよく見えるそんな位置に来る場合も多く、文字通り家の顔となります。 そこに対して木製の玄関扉や縦格子の扉を配するとぐっと和風の雰囲気が漂います。 また数の多い窓回りも重要なポイント。 窓枠を木にすると優しくナチュラルな印象となり、カーテンではなく障子を採用すると外から見た時、特に夜には障子を通して淡い明かりが漏れ素敵な和のテイストを味わう事が出来ます。 外構も統一感を出す。外観で忘れてはならないのが、外構(庭)です。 建物を和モダンでまとめても外構が異なるテイストではちぐはぐな印象になってしまいます。 フェンスや門扉、アプローチといった構造物から庭木・庭石まで様々な要素で成り立つ外構ですが、ポイントに和の素材を使うことでバランスのとれた外構計画ができます。 例えば、庭石に日本原産の大谷石や御影石を置く、アプローチに鉄平石を使う、玄関前に縦格子のルーバーを設置する、庭木には紅葉が美しいもみじを植える、板塀や竹塀を設置するなど様々なアイディアがあります。 全てに和風を取り入れると純和風又は和風の格式高い外構になるため、シンプルな素材も合わせながら抜け感のある和モダンの外構を検討してみてください。 和モダンな家づくり。和モダンな家はおしゃれな雰囲気で機能性にも優れていますが、健康な暮らしを考えるうえでも空間が持つ質的な要素も大切に考えるべきです。 心地よいと感じる事で穏やかな気持ちになり過ごす空間の質で人生観も変化します。 メリハリをつけてコストも意識する。 理想の和モダンの家を叶えるなら「こだわりたい箇所」と「気にしない箇所」を決めておくことも大切。 和の素材はこだわりたい箇所にポイントづかいすることで、良さがより引き立ちます。 多用したからといって活きるものではありません。 例えば無垢材を組み合わせて作る「格子戸」や透ける絹とガラスで空間を装う「絹ガラス」、機能もデザインにもこだわった「和紙壁紙」など。 和を演出する建築資材はさまざまですが、価格が高い傾向にあります。 無垢材を使った見せ梁にしたい、壁紙を使わず漆喰壁で仕上げたいなど「我が家の見せ場」を決めておくように。 見せ場があると家全体にメリハリが生まれ、コスト軽減にもつながります。 家具の色にもこだわりを。和モダンな家を建てるなら家具の色にもこだわりを。 和の壁紙や床材、装飾とテイストのあう家具選びのポイントは「色」です。 テーブルやイス、カーテンは茶色や紺色、鼠色など、くすみがかった色を選びます。 大きさのある家具は部屋の雰囲気に影響するため、落ち着いたベースカラーを選ぶように。 朱色や黄金色といったアクセントカラーはテーブルクロスやソファのクッションカバーで、なるべく小さく取り入れます。 反対になるべく避けたい色は彩度の高い色です。 はっきりした奇抜な色は、和の落ち着いた雰囲気を壊しかねないため注意が必要となります。 素材検討も重要な要素。外観を和モダンにまとめたら、続けて目の行く玄関の内装も和モダンを意識することで統一感が出ます。 家の第一印象を決める玄関は家の中への期待が高まる重要なポイントでもあります。 インテリアを決める際にも玄関を重要視することでより満足度が高くまとまりのある内装とすることができます。 先に述べたように、和モダンテイストには木の質感がよく合います。 他にも珪藻土や和紙、天然石などの自然素材は和の雰囲気を出しつつもモダンな素材とも調和し、おすすめです。 床には無垢材、壁に珪藻土や漆喰、建具に和紙や障子、土間には天然石などを採用すると趣のある和の空間となります。 自然素材は素材ごとに唯一無二の色合いや表情があるものです。 樹種や石によって大きく印象が変わるため素材選びから楽しむことができます。 全体のコンセプトを統一させる。 内装も外観も決める際の一番重要なポイントは、全体のコンセプトを統一させることです。 インテリアを構成するものは多岐に渡るため、取り入れたい壁材や床材、小物や家具、ファブリック、照明などを個別に選んでいくと、気づいたらバラバラの印象になってしまっているそういう事にならないように家の空間テーマは事前に決めておくことが大切です。家づくりは段階を踏んで様々なことを決めていきますが、印象を大きく左右する壁材や床材は工事が近づくと変更することができません。 照明やカーテン、家具などまで含めて決めておくとまとまりのあるおしゃれな空間になります。 旅館のような雰囲気、和モダンデザインの玄関ホールベースの床材はカリンの無垢板張りですが、色のトーンを設計する事でモダンな和の雰囲気が生まれる玄関の空間。 自然素材にこだわった洗練された空間デザインは旅館で寛いでいるような過ごし方が出来る間取りにも。 玄関ホールでありながら風景を眺めながらくつろぐことも出来るので、上質な時間を過ごすことができるプライベートルームにも変化する空間の仕掛けを設計とデザインで施しています。 外壁はホワイトのタイル張りを基本とし、重みをもたすためにアクセント色も用いています。 カラーはブラックと明るい茶系の残り2色を採用。その2色のコントラストが決して和風に寄りすぎない、モダンな雰囲気を演出しています。 あえて和をイメージしないルーバースクリーン(格子)がモダンを備える外観に目隠しとアクセントを兼ねる外壁はタイルを使い3色を使い分けています。 洋風になりがちなタイル仕上げを和に仕上げた佇まい。 濃いめの仕上げと薄めの仕上げを織り交ぜて雰囲気をモダンに。 そこにインパクトを持つ障壁のイメージで乳白色のガラスブロックを障子に見立てて朱色の塗り仕上げ織り交ぜています。 素材感を活かし、洗練された空間を考える事も暮らしの価値観に無垢材と珪藻土の素材感を活かしながら、和紙の壁紙や和の素材を取り入れまとめた和モダン空間は気配りが存在するモダンな要素が奏でる空間となっています。 庭木と溶け込む和モダンデザインの大屋根の外観。 大屋根の外観に、和に寄りすぎないモダンな庭がマッチする住まい。 素敵な庭づくりをすると、家の印象もぐっと良くなります。 道行く人がちょっと立ち止まってしまうような、素敵な外構計画もご提案します。 家づくりについての相談、家づくりに関するお悩みをお気軽にご相談ください。 和モダンの家は日本人に馴染みやすく、現代の暮らしに寄りそう住宅スタイルです。 和のデザインには高温多湿な日本の気候に適した知恵と工夫が満載で、流行に左右されにくいメリットがあります。 素材や色を選ぶことで、時の経過とともに変化する味わい深さも楽しむことが出来ます。 純和風住宅になるとコストが高い傾向にありますが、和モダン住宅なら比較的それに比べてコストを調整しやすい傾向もあります。 自然の移ろいとともにゆったり過ごせる和モダンの家の暮らしをぜひ検討してみてはいかがでしょうか?。 暮らしを丁寧に考える住まいの設計を味わってみませんか。 住まいの新築・リフォームリノベーションのご相談・ご質問・ご依頼は■やまぐち建築設計室■ホームぺージ・Contact/お問い合わせフォームから気軽にご連絡ください。-------------------------------------■やまぐち建築設計室■ 建築家 山口哲央奈良県橿原市縄手町387-4(1階)https://www.y-kenchiku.jp/------------------------------------- ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #リノベーション #注文住宅 #奈良県 #モダン #建築士 #設計士 #和モダン #家のリフォーム #奈良県の建築家 #奈良県の設計事務所 #家の設計 #和風モダン #和モダンの家 #家の新築 #和の趣 #和の家 #和風モダンの家 3