戦争に参加させられるリアル
戊辰戦争で新政府軍と旧江戸幕府軍の板挟みにあった新発田藩が今の日本に見えた。官軍は中国、同盟を結んでいる長岡藩はアメリカである。どちらにも加勢せずに平和を維持したい新発田藩が長岡藩の旗を掲げさせて前線へ送り込んだのは捕まえた罪人たちだった。
武術の心得ある者もいるが大半は素人だ。戦地の経験なし、年齢区別なしで戦争に参加させられるストーリーは現代日本の将来を予言している様でもある。ドナルド・トランプが再び大統領になったことで本作は現実味を帯びて来た。
交渉に出向いた官軍を侵略と誤解して先制攻撃し、和解案にも亡くなった者への義理があるから応じない。愛する人や故郷を守りたいと侠気に目覚めて次々に突撃し、どんどん死者は増えて、行き着くところまで向かって行く。
歴史は繰り返すのか?警告と共に尊い犠牲があって実現出来た平和の有り難さが身に染みる作品だ。