いつまでもカッコ良く
平成から令和への政局を見ている様であった。小泉改革から民主党へ政権交代したが3年で終焉。続く安倍内閣は7年10カ月に渡る日本憲政史上最長の政権となる一方でイエスマンばかりになった。期待の維新の会は勢いを失い、「都民ファーストの会」も風を吹かすことは出来なかった。安倍首相退任後、昭和に戻ったかの如き裏金問題が表面化。10月に行われた衆議院選挙は戦後ワースト3の投票率であった。
諦めを通り越したかの様などんよりした現代を反映しているのが本作である。故郷秋田の携帯電波も届かない山里へ引っ込んだ室井には「北の国から」で俗世間に反発し、北海道富良野へ移り住んだ田中邦衛さん演じる黒板五郎が重なる。警察には志ある者も残っているが闘う意志は感じられない。室井は定年1年前の64歳だから私よりひと回り近く上だが、『約束を守れなかった負け犬』と自身を揶揄する姿はシリーズを通して最も身近であり、同時代人には他人事ではないだろう。後編ではどんな生き方を提示してくれるのだろうか?15日から公開される。
※トップ画と2枚目の画像は公式Xより転載