短歌92
8×4 AROMA SWITCH 教室をシミュレーション仮説だと思った
泥からも生まれる命があってほしい って思わんし 雨雲レーダー
交わらない鼓動がいつか透き通る時のこと思って 水族館
水族館 きみが世界を統べるのはありかなしかで言えば憂鬱
光る海光らん海をより分けて生活をする相手を選ぶ
人々の落胆に耐性がない町の途切れない花火大会
若い宇宙 年老いた宇宙 規模感を見誤りすぎた告白だった
君だけに話したことなんてなかった ジャスミンティーの匂い ありがとね
いつ言っても生活は変わらないだろうウェザーニュースのCMの後
扇風機の風で栞紐ちらちらと肌にあたって、予定を聞いた
創造をした人が急に現れて感想を訊いてきて 待たせる
残り香ごと愛すみたいな駄目なほうの関係を、もう、四百五年
何もない見開きの前の意味深な一節のようなアナウンス
川島はすごいみたいな話をしてすごくないなりに生活が長い
さようなら終わってしまった季節たち。終わらせてしまった季節たち。
火曜日はシャッター通りになってしまう誰かを許し足りなくたって
すべて余談 校舎の裏に埋めなかったものだけで生きていくってほんとう?
猫と話せたら猫にもコミュ障を発揮するだろう曇りの夕暮れ
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