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短歌81~90

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2024年7月の記事一覧

短歌89

短歌89

絵に描いたような向日葵会うことのない友達として好きでいる

家庭科のドラゴンが住まう洞窟への行き方は教頭が知ってる

空欄を押しつけられた青い月ひどいことばかりしたしされたね

偽物の感傷の図式見せないで鼓動を、鼓動だけを信じて

宛先は荒野 切手は可愛いよ 妄想だけで愛せていたの

暦 暦 今夜がずっと来なければ生きてる価値もあるって言うわ

色づいてしまった影は踏めないの論理の先の海で待ってる

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短歌88

短歌88

解散もした後やっと訪れるあたしのソロパート の咆哮

唇の出来物舐め回している大きい主語であなたが通る

実在の星座になりそうなほくろを数えて/数えなくて 会いに来て

全国の幻のってついている商品を集めた幻市

お互いに選んだ星にお互いに名前をつけて ね 生きてて

厚いカーテン越しの太陽を光源に新譜を聴きながら着替えた

台所のハミングでしか存じてないきっといい曲のサビ頭

会いに行く、あなた

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