交差点などの通行 その2右折
前回に引き続き、交差点の通行方法のお話です。今回は「正しい右折方法」などについてお話します。
正しい右折方法
道路交通法には、「右折しようとするときは、あらかじめできるだけ道路の中央に寄り、交差点の中心のすぐ内側を徐行しながら通行しなければならない」とあります。
左折時と同じように、あらかじめ「中央(線)に寄せる」ことと「徐行」が必要です。中央に寄せる主な理由としては、後続の直進車等に進路を空けるため、つまり「右折待ち」で進路を塞がないよう(寄っても通れない場合もあるが)に、ということです。
そして、「交差点の中心のすぐ内側を通行」とは、下記のとおりです。
交差点の中心より手前を通行(ショートカット)したり、
交差点の中心より奥を通行(直角右折)しないようにしましょう。
右折は大変!?
ご存じのとおり、「右折しようとする車は、対向する直進車や左折車の進行を妨げてはならない」というルールがあります。そのため、右折時に対向車がいる場合は、交差点内で「右折待ち」をしなければなりません。左折と違って、対向車の存在がある右折は、やっぱり少々厄介ですよね。
しかも、対向車以外にも、曲がった先の横断歩道を渡る歩行者などの有無や、信号の変わるタイミング、曲がった先の交通状況など、注意するポイントがたくさんあって大変です。余談ですが、私が指導員の頃、右折が苦手な教習生がいたのですが、その彼は、自動車学校卒業時に「僕は左折だけで生きていきます。」と高らかに宣言していました。彼は、元気でやっているのでしょうか。
右直事故
右折時に、対向する直進車と衝突する事故を「右直事故(右折車と直進車の事故)」といいます。右直事故が起きやすいのは、信号の変わり目のタイミングです。
なぜなら、直進車の心理は「あぁ~信号変わりそうだけど、加速すれば、なんとか黄信号で抜けられそう!(注:信号無視です)」
右折車の心理は「やばい、このまま信号が赤になったら、交差点に取り残される!急いで抜けなきゃ!」
この心理状態で行動して、万が一衝突した場合は、お互い速度が速いので非常に大きな衝突エネルギーが発生します。つまり、右直事故は、ほぼ「重大事故(死亡事故)」に繋がります。ちなみに、ここ最近の山形県内の事例では、車の安全性の向上もあって、車の前席より、シートベルト未着用のまま後部座席に同乗していた方が亡くなるケース(車外放出など)が増えてきているようです。
補償運転
なんだか、右折が苦手な人が、ますます苦手になりそうな話をしてしまいましたが、極端なことを言えば「苦手なことは、やらなくていい」と思います。前述の彼のように「右折はしない、左折だけで生きていく」というのは極論ですが、「なるべくやらないようにする」というスタンスでいいんじゃないでしょうか。
そのためには、「右折の少ない走行ルートにする」「矢印信号のある交差点を右折する」「対向車の少ない日時を走行する」などの対策があるかと思います。もちろん、これらを実行するには「最短距離ではない」や「下調べの手間」「早起きする」などの弊害?もあって当然です。ですが、今や「技術・知識だけが安全運転の要素ではなく、道順や時間、天候などを選ぶことから安全運転は始まっている」という考え方が必要になってきています。このことを補償運転といいます。(もっとわかりやすい名称のほうが浸透しやすいのにね。)
こんな話も織り交ぜながら「やまがたドライブチェック」では運転レッスンを実施しております。一緒に運転の不安を克服しましょう!
それでは Have a nice drive!!